いわゆる「お薬受診」「お薬外来」などと呼ばれている無診察投薬。医療関係者の多くが、実際に見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
処方箋を持って来局した患者の話から、「どうやら診察を受けないで処方箋を出してもらったのだな」と気づいてしまい、薬歴に「今回は薬のみ」と書くかどうか頭を悩ませている薬剤師もいると聞きます。
そして、それがあまり取り締まられていない(黙認されている)のではないかと、多くの薬剤師は感じているのではないでしょうか。「薬局において、薬剤師が不在で調剤すると厳しい処分がなされるのに、無診察投薬は公然と行われていて、さしたるおとがめもないのはなぜなのか!」と憤慨したくなる気持ちもありますが、ちょっとだけクールダウンして、今回はこの問題について考えてみたいと思います。
というのも、実はここ数日の間に、薬局を利用している人だけでなく、久し振りに会う知人や伯母からも、無診察投薬を巡る話を聞いたからです。内容はおおむね、以下のようなものでした。
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著者プロフィール
熊谷信(薬剤師・ブロガー)
くまがい しん氏 信州大学経済学部を卒業後、自動車ディーラーの職に就くが、「自分で薬局を開きたい」との思いから、社会人入試を経て東邦大学薬学部へ入学。卒業後、くまがい薬局を開局したが、3年4カ月で廃業し、勤務薬剤師に。2014年4月、長野県諏訪市にららくま薬局を開局。

連載の紹介
熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
ららくま薬局(長野県諏訪市)を開設し患者と向き合っている熊谷氏が、日々の業務やニュースから感じ取ったことを現場目線で書きつづります。本人のブログ「薬局のオモテとウラ」も好評連載中です。
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