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薬局と医療機関の間のフェンスはやっぱり必要

2016/08/24

 保険薬局と保険医療機関との一体的な構造に関する解釈が見直され、約1カ月後の10月1日から運用されることはご存知の通りです。この“規制緩和”に先立って、厚生労働省から疑義解釈が示されました(厚労省事務連絡「保険薬局の指定等について」)。DI Onlineでもニュースで紹介しています(関連記事「厚労省『フェンス撤廃に伴う再指定は不要』」)。

 医療機関と薬局を区切るための「フェンス」ですが、車椅子の患者のケースを典型として、患者の利便性を損なっていることが指摘され、撤廃の方向で話が進められてきました。実際、フェンスがあってもなくても、それは形式的なもので、独立性という観点から考えると、あまり意味はないということなのでしょう。

 しかし、私はその考え方には賛成できません。以前、本コラムでフェンスの有無について話題にしたことがありますが、そのときと基本的なスタンスは変わっていません(関連記事「医療機関と薬局の間にフェンスは必要?不要?」)。

 今回の規制緩和により、門内薬局、敷地内薬局の誘致が活発化するのではないかということがいわれています。実際、複数の病院でそのような話が出ているようですが、ほとんどは大手調剤チェーンが受け皿となるようで、個人薬局には無縁の話となってしまっています。

 「病院前の景色を変える」と厚労相が少し前に力強く発言し、いよいよ大手チェーンが立ち行かなくなるのかと思っていました。しかし、何のことはない、門前に並んでいた薬局が、病院の中や敷地内に入るだけの話で終わってしまいそうな状況です。

 そんな中、国立病院機構災害医療センターが薬局を運営する事業者を公募しており、その内容をウェブサイト上で見ることができます。「調剤薬局の設置・運営者の公募の公示」と題した文書には、驚くべき文言がサラッと書かれています。

 2ページ目の(2)企画書及び見積書を特定するための評価基準です。

著者プロフィール

熊谷信(薬剤師・ブロガー)
くまがい しん氏 信州大学経済学部を卒業後、自動車ディーラーの職に就くが、「自分で薬局を開きたい」との思いから、社会人入試を経て東邦大学薬学部へ入学。卒業後、くまがい薬局を開局したが、3年4カ月で廃業し、勤務薬剤師に。2014年4月、長野県諏訪市にららくま薬局を開局。

連載の紹介

熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
ららくま薬局(長野県諏訪市)を開設し患者と向き合っている熊谷氏が、日々の業務やニュースから感じ取ったことを現場目線で書きつづります。本人のブログ「薬局のオモテとウラ」も好評連載中です。

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