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年末に起きた薬剤取り違え事故、再発を防ぐには?

2015/01/06

 2015年が明けました。年末の慌ただしさと年始の静けさを思うと、毎度のことではありますが、時間が同じ速さで流れているとは思えず、とても不思議な気持ちになります。皆様はいかがお過ごしだったでしょうか。本年も「薬剤師的にどうでしょう」をよろしくお願いいたします。

 さて、新年最初の話題としては非常に重いのですが、昨年末に大阪府立急性期・総合医療センターで起こったマキシピーム(一般名セフェピム塩酸塩水和物)とマスキュレートベクロニウム臭化物)の取り違えによる死亡事故について考えてみたいと思います。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

 多くのメディアで報道されていますが、それらをまとめると、事故の経緯は次の通りです(編集部注:一部の情報は編集部が2015年1月5日に同病院に電話取材を行い判明したものです)。

 同病院に入院中の60代男性の発熱に対して、医師はセフェム系抗菌薬の「マキシピーム」の投与を書面で指示しました。それに対して、薬剤師は筋弛緩薬の「マスキュレート」静注用10mg、1バイアルを準備し、病棟に配送。ここで取り違えが生じたことが発端となっています。

 病棟の看護師は、マスキュレートを用時溶解し、患者に静脈内注射しました。看護師は、容器の形状とキャップの色が似ていたことなどから、正しい薬剤と思い込んでいた――そんなことも報じられています。

著者プロフィール

熊谷信(薬剤師・ブロガー)
くまがい しん氏 信州大学経済学部を卒業後、自動車ディーラーの職に就くが、「自分で薬局を開きたい」との思いから、社会人入試を経て東邦大学薬学部へ入学。卒業後、くまがい薬局を開局したが、3年4カ月で廃業し、勤務薬剤師に。2014年4月、長野県諏訪市にららくま薬局を開局。

連載の紹介

熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
ららくま薬局(長野県諏訪市)を開設し患者と向き合っている熊谷氏が、日々の業務やニュースから感じ取ったことを現場目線で書きつづります。本人のブログ「薬局のオモテとウラ」も好評連載中です。

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