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「妥結率に関する報告書」の提出をお忘れなく!

2014/09/25

 今年4月の調剤報酬改定で、いわゆる「未妥結減算ルール」が導入されました。簡単にいえば、200床以上の病院と保険薬局に対して、妥結率の実績について報告する義務が課された、というものです。

 「妥結って言葉、馴染みがないけれど一体何!?」という声も聞こえてきそうですが、妥結というのは「取引価格が決定しているもの」を指すそうです。つまり、医薬品卸から購入する医薬品の価格が決まっている状態です。

 世の中の多くの商取引において、価格が決まらないうちに納品するというのは、まずあり得ないといわれます。医薬品業界の特殊性の一つになるのでしょうが、薬価改定の際のものすごくタイトなスケジュールを考えますと、やむを得ない部分もあるのかもしれません。

 そのため、多くの薬局では、「暫定価格」という形でまず納品されるのが一般的でしょう。価格交渉のやり方は、厳密に見積もりを取るところから、MSさんとの口頭のやり取りで済ませてしまうところまで、薬局によって違いはあるかもしれません。卸と薬局の間で合意がなされると、半年とか、場合によっては1年ほどさかのぼって値引きがされ、価格決定、つまり妥結することになります。

 それの何が良くないのかといいますと、薬価調査の弊害になる可能性があること。薬価は、納入価が色濃く反映されるようですが、妥結していない「暫定価格」が薬価調査に反映されれば、薬価は高止まりします。それが問題とされているわけですね。

 ですので、全ての薬局が、「妥結率に関する報告書」を10月中に管轄の厚生局に提出することを義務付けられています。時々、「うちは小さい薬局だから関係ない」という声を聞きますが、個人かチェーンか、あるいは薬局の規模(処方箋受付枚数)にかかわらず、全ての薬局が提出しなくてはなりません。

著者プロフィール

熊谷信(薬剤師・ブロガー)
くまがい しん氏 信州大学経済学部を卒業後、自動車ディーラーの職に就くが、「自分で薬局を開きたい」との思いから、社会人入試を経て東邦大学薬学部へ入学。卒業後、くまがい薬局を開局したが、3年4カ月で廃業し、勤務薬剤師に。2014年4月、長野県諏訪市にららくま薬局を開局。

連載の紹介

熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
ららくま薬局(長野県諏訪市)を開設し患者と向き合っている熊谷氏が、日々の業務やニュースから感じ取ったことを現場目線で書きつづります。本人のブログ「薬局のオモテとウラ」も好評連載中です。

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