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薬局のチェーン展開は悪しきことなのか

2013/08/21

 7月末、日医総研が院外処方の評価について、ワーキングペーパー(WP)を出しました。DIオンラインのニュースをご覧になった方も多いかもしれません。

【DIオンライン】「規模の経済によって調剤薬局が高利潤化している可能性」(2013年7月31日)

 WPの内容は多岐に渡りますが、今回は上記の記事でも取り上げられている、「規模の経済によって調剤薬局が高利潤化している可能性」の部分について、考えてみたいと思います。

 WPでは、その副題にある通り、「医薬分業元年から約20年を経た調剤報酬の妥当性についての考察」を行っています。要点を以下に挙げてみますと……

・医薬分業政策による院外処方の増加と、薬局のチェーン展開という2つの「規模の経済」が働いた結果、調剤薬局は高利潤化している。
※生産量の拡大に伴って平均費用が低下する場合に、規模の経済があるという。薬局に関しては、患者1人当たりまたは処方箋1枚当たりの経費が少なくなることを意味する。

・調剤サービス市場では、営利性が許されているという点で医療サービス市場と異なる。調剤報酬が過去の状況を引きずりながら高く保たれているのであれば、それは見直されるべきである。

・処方箋枚数が少ない地域で調剤薬局の経営が成り立つような点数を、調剤報酬によって一律に与えることは、一方で経営に有利なチェーン薬局に高利益をもたらす。さらに調剤サービス市場では、得られた利益が、その団体の構成員や企業の出資者へと還元されてしまう。

・従って、医療計画を通じて、医療提供施設として必要な薬局を確保するための対策を立てることが望ましい。

著者プロフィール

熊谷信(薬剤師・ブロガー)
くまがい しん氏 信州大学経済学部を卒業後、自動車ディーラーの職に就くが、「自分で薬局を開きたい」との思いから、社会人入試を経て東邦大学薬学部へ入学。卒業後、くまがい薬局を開局したが、3年4カ月で廃業し、勤務薬剤師に。2014年4月、長野県諏訪市にららくま薬局を開局。

連載の紹介

熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
ららくま薬局(長野県諏訪市)を開設し患者と向き合っている熊谷氏が、日々の業務やニュースから感じ取ったことを現場目線で書きつづります。本人のブログ「薬局のオモテとウラ」も好評連載中です。

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