「共通ポイントサービスの『Tポイント』が、ドラッグストアで会員が購入した医薬品の商品名データを収集し、会員に十分な説明をしないまま販促活動に使用していた」――。先週、朝日新聞がこんなニュースを報道し、話題になりました。私のブログの方でも取り上げましたが、既にご存じの方も多いのではないかと思います。
【朝日新聞】Tポイント、医薬品の購入履歴を取得 販促活動に利用(2012年7月17日)
ご覧いただくと分かるように、記事では、購入した医薬品に関するデータが収集されていることに対して、警鐘を鳴らしています。確かに、一般用医薬品や医薬部外品と言えど、購入者の健康状態というプライバシーに関わる情報なので、慎重に扱うべきですし、本人が知らないまま利用されているとしたら問題です。けれども、この記事を最初に読んだ時、「ああ、やっぱり」という思いをどこかで感じた人も少なくないのではないでしょうか。
では実際に、どの辺りが問題になってくるのか、ほんのいくつかですが論点を挙げて、それぞれについて考えてみたいと思います。
その1●会員規約への同意
Tポイントサービスを提供しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のウェブサイトに、T会員規約が掲載されています(こちら)。この規約の第4条第2項に、「当社が取得する会員の個人情報の項目」が挙げられており、その中に、「ポイントプログラム参加企業における利用の履歴」が含まれています。朝日新聞の記事にもありますが、CCCはこの規約への記載をもって、購入した医薬品のデータを取得することに問題がないとの見解を示しているようです。
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著者プロフィール
熊谷信(薬剤師・ブロガー)
くまがい しん氏 信州大学経済学部を卒業後、自動車ディーラーの職に就くが、「自分で薬局を開きたい」との思いから、社会人入試を経て東邦大学薬学部へ入学。卒業後、くまがい薬局を開局したが、3年4カ月で廃業し、勤務薬剤師に。2014年4月、長野県諏訪市にららくま薬局を開局。

連載の紹介
熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
ららくま薬局(長野県諏訪市)を開設し患者と向き合っている熊谷氏が、日々の業務やニュースから感じ取ったことを現場目線で書きつづります。本人のブログ「薬局のオモテとウラ」も好評連載中です。
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