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バイタルサイン講習会に行ってきました!

2012/03/07

 先週の日曜日、在宅療養支援薬局研究会が主催する「バイタルサイン講習会」を受講してきました。

 冒頭でこんなことを書くと理事長の狭間研至先生に怒られるかもしれませんが(笑)、そもそも「バイタルサイン」という言葉の響き自体、薬剤師にとって、ちょっと近寄りがたい雰囲気を醸し出していますよね。病院で働いている薬剤師ならまだしも、特に薬局の薬剤師にとって、それは「超えてはならない壁」のように、私たちの前に立ちはだかっていると感じます。

 しかし近年、薬剤師は患者の体に触れてはならないということが、実は「都市伝説だった」とまで言われるようになってきました。背景には、医療スタッフが行える業務内容について、厚生労働省の局長通知で言及されたことなどがあります。「薬剤師だから、患者さんの体に触れてはいけないんです」と患者さんに断る道理は、もはや存在しません。

 とはいえ、患者さんだけでなく医療スタッフの中にも、「薬剤師がバイタルサイン?」という違和感を抱く人はもちろんいらっしゃるでしょう。仮に、水銀血圧計で血圧を測るのがものすごくうまい薬剤師がいたとしたら、「それって(薬剤師として)どうなの?」というツッコミが入ることは間違いありません。

 誤解を恐れずに書きましょう。このバイタルサイン講習会は、でかでかと「バイタルサイン」をうたってはいるものの、実際はバイタルサイン講習会ではありませんでした。もちろん、講習会では血圧測定の方法を学んだり、心音や呼吸音を聴診器で聴いたりしました。ですが、その実践的な手技を習得することが講習会の最大の目的ではなかったのです。

 もっとも、私は講習会を受けるまで、血圧測定の際に腕に巻いたマンシェットに聴診器を添える意味すら理解していませんでした。そんな私が言うのも大変恐縮なのですが、測定の原理や手技は至ってシンプルで、説明されればすんなり頭に入りますし、コロトコフ音を聴くために取り立てて特別なスキルが必要なわけでもありません。

 では一体、何のための「バイタルサイン講習会」なのでしょうか?

 その狙いの1つは、共通言語を身につけることだけでなく、その重要性を学ぶことにあります。ともすると薬局という場所は、「チーム医療」の輪から外れがち。物理的な距離だけでなく、どこかに疎外感を感じるのは、哀しいかな、私たち薬局薬剤師が直面している事実です。そのような立場にあるからこそ、バイタルサインの意義を頭で理解することと、自ら採ってみることの間には、雲泥の差があるのです(それをすぐに活かすかどうかは別にしても)。

著者プロフィール

熊谷信(薬剤師・ブロガー)
くまがい しん氏 信州大学経済学部を卒業後、自動車ディーラーの職に就くが、「自分で薬局を開きたい」との思いから、社会人入試を経て東邦大学薬学部へ入学。卒業後、くまがい薬局を開局したが、3年4カ月で廃業し、勤務薬剤師に。2014年4月、長野県諏訪市にららくま薬局を開局。

連載の紹介

熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
ららくま薬局(長野県諏訪市)を開設し患者と向き合っている熊谷氏が、日々の業務やニュースから感じ取ったことを現場目線で書きつづります。本人のブログ「薬局のオモテとウラ」も好評連載中です。

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