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「突合点検」が後発品使用の足かせに?

2012/02/29

 2年に1度の調剤報酬改定まで、残すところあと1カ月となりました。ご存じのように、2月半ばには、論点となっていた主要項目の点数も具体的に決まりました。気になる後発医薬品の「数量ベース」については、調剤割合の基準が22%、30%、35%へと引き上げられるとともに、点数もそれぞれ5点、15点、19点に改められます。

 さて、話はちょっと変わりますが、今年3月から社会保険診療報酬支払基金が、医科・歯科のレセプトと調剤のレセプトを患者ごとに照合する「突合点検」を、より厳密に実施していくことになりました。レセプトの電子化によって、現場の私たちではなくむしろ支払基金が大きな恩恵を受けた――というのは言い過ぎかもしれませんが、突合が容易になったのはひとえにこの電子化による部分が大きいのではないでしょうか。

 実際、突合点検が始まったら、レセプトの返戻が増えることが懸念されます。その代表的なものとして、「先発医薬品と後発医薬品の効能・効果の違い」(いわゆる適応相違)による返戻はどうなるのかが、非常に気になります。

 もっとも、以前タケプロンの適応追加の際に話題にしたように(こちら)、これは今に始まった話ではないですし、取り立てて心配する必要はないという意見もあるかもしれません。ですが、実は1月に厚生労働省保険局長が支払基金理事長にあてた「回答」が、この問題をややこしくしているのではないかと、個人的にはとても気になっています。

 そのやり取りについて、社会保険診療報酬支払基金の2012年1月定例記者会見資料「先発医薬品と効能効果に違いがある後発医薬品の取扱いについて」から抜粋します。

◎支払基金理事長から厚生労働省保険局長に宛てた照会内容(平成22年12月13日)

○保険薬局において、先発医薬品と効能効果に違いがある後発医薬品に変更調剤された場合に、結果として支払基金の審査で適応外として査定され、保険医療機関または保険薬局のいずれかに査定額を請求しなければならないケースが生じる。

○しかしながら、保険薬局から処方箋を取り寄せても保険医療機関または保険薬局のいずれに対し、当該査定分を請求するかの判断は困難であると考えられ、その取扱いについて、厚生労働省に見解を求めた。

著者プロフィール

熊谷信(薬剤師・ブロガー)
くまがい しん氏 信州大学経済学部を卒業後、自動車ディーラーの職に就くが、「自分で薬局を開きたい」との思いから、社会人入試を経て東邦大学薬学部へ入学。卒業後、くまがい薬局を開局したが、3年4カ月で廃業し、勤務薬剤師に。2014年4月、長野県諏訪市にららくま薬局を開局。

連載の紹介

熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
ららくま薬局(長野県諏訪市)を開設し患者と向き合っている熊谷氏が、日々の業務やニュースから感じ取ったことを現場目線で書きつづります。本人のブログ「薬局のオモテとウラ」も好評連載中です。

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