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聴覚障害者への講義を通じて学んだこと

2011/11/24

 先日、地域の手話連絡会から、「耳の不自由な方々を対象としたお薬教室を開催したいので、講師として来てくれないか」というご依頼をいただき、約2時間、お薬について話をしてきました。今回はその様子をご紹介したいと思います。

 実はこのお話をいただいた時、私は少し躊躇しました。手話ができないことに加えて、普段から聴覚障害者の方々と積極的にコミュニケーションを取っていたわけでもなかったので、いざ引き受けるとしても果たして上手に伝えることができるかどうか、正直なところ自信がなかったのです。

 しかし、聴覚障害者の方々が持つ特有の悩みについて、手話連絡会の方から話を聞くうちに、その考えは変わりました。聴覚障害者は、耳が聴こえないというハンディキャップによって、私たちが考える以上に得られる情報が限られてしまっているというのです。

 お薬教室を成功させるべく、事前の準備は入念に行いました。お薬に関して普段抱いている疑問をあらかじめ参加者に挙げてもらい、それらに対する回答を織り込みながらベースとなる原稿を作ります。それを基に支援者の方々に内容を吟味してもらい、さらに図表やツールなども作成してもらいました。

 パワーポイントや映像を使うことも検討しましたが、視覚的情報が分散してしまう恐れがあることから、最終的には、紙ベースで行いました。話す私の傍らで、ほぼ同時に手話通訳者が内容を手話で表現していきます。

著者プロフィール

熊谷信(薬剤師・ブロガー)
くまがい しん氏 信州大学経済学部を卒業後、自動車ディーラーの職に就くが、「自分で薬局を開きたい」との思いから、社会人入試を経て東邦大学薬学部へ入学。卒業後、くまがい薬局を開局したが、3年4カ月で廃業し、勤務薬剤師に。2014年4月、長野県諏訪市にららくま薬局を開局。

連載の紹介

熊谷信の「薬剤師的にどうでしょう」
ららくま薬局(長野県諏訪市)を開設し患者と向き合っている熊谷氏が、日々の業務やニュースから感じ取ったことを現場目線で書きつづります。本人のブログ「薬局のオモテとウラ」も好評連載中です。

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