このところ、「規制・制度改革」だ「事業仕分け」だと騒がれていますが、調剤基本料の一元化やネット販売の問題など、私たちの業界に関する話題がかなり槍玉に挙げられていることは多くの方がご存知でしょう。
現場の人間としては「なんで突然、薬剤師に矛先が向いたのか」と大変困惑しているわけですが、そんな中、中央社会保険医療協議会(中医協)において「2号委員」と言われる診療側の委員が連名で、政府行政刷新会議に対して意見書を提出しました(こちら)。内容は、政府行政刷新会議の取りまとめに対して「強く抗議する」というものです。
中医協とは厚生労働大臣の諮問機関に当たります。調剤報酬を含めた診療報酬に関することはすべて、中医協を通して決まります。一方、行政刷新会議は政治主導を実現する組織として、内閣府に設置された機関です。
今回の構図としては、行政刷新会議が「こっちは政府直属だ。総理の意向でやってるんだぜ」と鼻息を荒くし、一方の中医協は「その問題は、俺たち専門家に任せておきな。シロートの出る幕じゃないぜ」と一歩も譲らない、といったところでしょうか。拙い表現ですが、「どっちがエライんだ?」と思ってしまいます。
調剤基本料の一元化についての、両者の主張を簡単にまとめてみました。
・保険薬局の調剤基本料は原則40点だが、受付回数4000回超・特定医療機関からの集中率70%超の薬局は24点。その質的な差は認められない
・むしろ、疑義照会率および調剤ミス発見率、時間に関する患者満足度などは「門前薬局」の方が高いとの調査結果がある
・であれば、平成22年度の診療報酬改定で病院と診療所の再診料が統一されたように、調剤基本料も一律240円にすべき
・配慮すべきは薬局の経営ではなく、患者から見た合理性である