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線維筋痛症に効く漢方(1)
線維筋痛症の考え方と漢方処方

2021/03/03

 線維筋痛症は、全身に激しい痛みが生じる疾患です。筋肉、関節などに疼痛が生じ、痛みが体幹、四肢など全身に広がります。男性よりも女性に多く見られます。以前は非関節性リウマチ、心因性リウマチなどと呼ばれていました。

 全身の慢性疼痛に加えて、疲労倦怠感、手指などのこわばりや腫脹、四肢のしびれ、ふるえ、微熱、睡眠障害、うつ状態などの症状も見られます。脳の機能障害が原因とも考えられていますが、明らかな原因は不明であり、血液検査やCT、MRIなど、一般的な検査をしても異常は見付からないようです。

 西洋医学での治療には、プレガバリン(商品名リリカ他)などの神経障害性疼痛治療薬、抗てんかん薬や、デュロキセチン塩酸塩(サインバルタ他)などの抗うつ薬、オピオイドなどが使われます。散歩や体操、ヨガ、有酸素運動、ストレッチなどの運動療法も行われます。痛みで眠れない場合は睡眠導入薬が使われることもあります。一般的な非ステロイド抗消炎薬(NSAIDs)などは効果が認められないケースがあります。

 漢方では、痛みは気・血(けつ)・津液(しんえき)など人体の構成成分の「流れ」や「量」と深い関係にあると捉えています。気は生命エネルギーに近い概念、血は全身を滋養する血液や栄養、津液は体内の水液を指します。

著者プロフィール

幸井俊高(「薬石花房 幸福薬局」代表)
こういとしたか氏。東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。ジョージ・ワシントン大学経営大学院修了。1998年、中国政府より中医師の認定を受け、日本人として18人目の中医師となる。2006年に「薬石花房 幸福薬局」を開局。『漢方でアレルギー体質を改善する』(講談社)『男のための漢方』(文春新書)など著書多数。

連載の紹介

幸井俊高の「漢方薬 de コンシェルジュ」
東京の老舗高級ホテル「帝国ホテル」内で、完全予約制の漢方薬局を営む幸井氏。入念なカウンセリングを行い、患者一人ひとりに最適な漢方薬を選んでくれる薬局として、好評を博している。これまで多くの患者と接してきた筆者が、疾患・症状ごとに症例を挙げて、漢方薬の選び方と使い分けについて解説する。

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