
夜尿症とは、「5歳を過ぎてからも1カ月に1回以上の頻度で睡眠中に自覚せずに尿失禁する状態が3カ月以上続くもの」(日本泌尿器科学会)と定義されています。女児に比べて男児に多く、成長に伴い頻度は減りますが、10歳児の5〜10%、15歳の1〜2%に見られるとの報告もあります。
夜尿症は、睡眠中に膀胱がいっぱいになっても尿意で目を覚ますことができない覚醒障害に加えて、膀胱の容量が小さいこと、夜間の尿量が多いことなどが関係していると言われています。日常生活では、夜更かしをしない、利尿作用のあるカフェインを含む飲み物を控える、便秘にならないようにする、寝る前の数時間は水分摂取を減らす、水分を多く欲しがらずに済むよう食事を薄味にする、などの工夫ができます。
西洋医学では、おねしょアラーム(下着がぬれるとアラームが鳴る)の使用、夜間尿量を減少させる抗利尿ホルモン薬や、膀胱の収縮を抑制する抗コリン薬の投与などが行われます。