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脳梗塞に効く漢方(1)
脳梗塞の考え方と漢方処方

2019/05/15

 脳梗塞は、脳の血管に血栓(血液の固まり)が生じて詰まったり細くなったりした結果、血液が流れにくくなる疾患です。十分な酸素や栄養が供給されなくなり、脳の組織が壊死していきます。

 脳梗塞には、脳の細い血管が詰まるラクナ梗塞、脳の太い血管や頸動脈に血栓ができて詰まるアテローム血栓性脳梗塞、心臓にできた血栓が血液に乗って脳に運ばれ脳の太い血管を詰まらせる心原性脳塞栓症の3つの型があります。

 中医学では、脳は奇恒(きこう)の腑(※)の1つに位置付けられ、その機能は、五臓の心(しん)・肝(かん)・腎(じん)の総合的な作用により行われていると捉えています。脳の発達や機能維持は「髄を生じ、脳に通じる」腎との関わりが深く、脳の人間らしい高次の精神活動は「神志(しんし)をつかさどる」心と関連しており、脳の情緒活動や自律神経系は「疏泄(そせつ)をつかさどる」肝と関係しているからです。

※奇恒の腑は、脳のほか、骨、髄、脈、胆、女子胞(じょしほう、子宮のこと)などを指します。中空である点が腑のようであり、かつ、精気を蔵するという点では臓のような存在でもあるので、五臓にも六腑にも入れるわけにいかず、奇恒(いつも通りではない、の意)と呼ばれています。

著者プロフィール

幸井俊高(「薬石花房 幸福薬局」代表)
こういとしたか氏。東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。ジョージ・ワシントン大学経営大学院修了。1998年、中国政府より中医師の認定を受け、日本人として18人目の中医師となる。2006年に「薬石花房 幸福薬局」を開局。『漢方でアレルギー体質を改善する』(講談社)『男のための漢方』(文春新書)など著書多数。

連載の紹介

幸井俊高の「漢方薬 de コンシェルジュ」
東京の老舗高級ホテル「帝国ホテル」内で、完全予約制の漢方薬局を営む幸井氏。入念なカウンセリングを行い、患者一人ひとりに最適な漢方薬を選んでくれる薬局として、好評を博している。これまで多くの患者と接してきた筆者が、疾患・症状ごとに症例を挙げて、漢方薬の選び方と使い分けについて解説する。

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