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にきびに効く漢方(1)
にきびの考え方と漢方処方

2014/04/14

 尋常性ざ瘡(にきび)は、睡眠不足や暴飲暴食などの生活習慣の乱れによって悪化しますが、根本には、にきびができやすい体質があります。漢方では、その体質そのものを漢方薬で改善し、にきびを改善していきます。

 にきびは、毛穴(毛包、毛囊[もうのう])に皮脂がたまり、炎症を生じた病変です。毛穴の入り口が角化してふさがって丘疹となり(面皰[めんぽう])、アクネ菌(にきび菌)が繁殖して炎症を起こし、赤くなります。化膿することもよくあります。にきび痕(あと)や、色素沈着が残る場合もあります。日本人の成人の9割以上がこの病気を経験しています。

 にきびは、睡眠不足や疲労の蓄積、食事の不摂生、便秘、化粧品の刺激、喫煙などによっても悪化しますが、体内の状態との関係が深い病変です。根本的な原因は、その人の体質そのものにあると、漢方では考えています。にきびがなかなか治らないときは、にきびができやすい体質を漢方で改善していくといいでしょう。

 にきびの証(しょう)には、以下のようなものがあります。

 一つ目は「熱盛」証です。体内で熱邪の勢いが強くなっている状態です。熱邪の影響で炎症が生じ、赤いにきびが形成されます。勢いの強いにきびなので、かゆみや痛みを伴うことが多く、ときに化膿します。熱邪を取り除く漢方薬でにきびを治療します。

 二つ目は「肝火(かんか)」証です。肝(かん)は五臓六腑のひとつで、からだの諸機能や精神情緒の調整をする臓腑です。この肝の機能がストレスや激しい感情の起伏などで失調すると熱邪が生じ、にきびができます。漢方薬で肝火を鎮め、にきびを治していきます。

 三つ目は「気血両虚」証です。生命エネルギーを意味する「気」や、血液や栄養を意味する「血(けつ)」が不足している体質です。過労や体調不良、抗菌薬の長期服用などの影響で、この証になります。気血が不足して熱邪を排除することができないため、にきびがなかなか治りません。気血を補う漢方薬を使います。

 四つ目は「血瘀(けつお)」証です。血流が鬱滞しやすい体質です。暗い色や紫紅色のにきびができたり、にきび痕に色素沈着が残ったりします。血行を促進し、うっ血を取り除く漢方薬が有効です。


■症例1

「にきびで悩んでいます。化粧をすると悪化するので、化粧ができません」

著者プロフィール

幸井俊高(「薬石花房 幸福薬局」代表)
こういとしたか氏。東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。ジョージ・ワシントン大学経営大学院修了。1998年、中国政府より中医師の認定を受け、日本人として18人目の中医師となる。2006年に「薬石花房 幸福薬局」を開局。『漢方でアレルギー体質を改善する』(講談社)『男のための漢方』(文春新書)など著書多数。

連載の紹介

幸井俊高の「漢方薬 de コンシェルジュ」
東京の老舗高級ホテル「帝国ホテル」内で、完全予約制の漢方薬局を営む幸井氏。入念なカウンセリングを行い、患者一人ひとりに最適な漢方薬を選んでくれる薬局として、好評を博している。これまで多くの患者と接してきた筆者が、疾患・症状ごとに症例を挙げて、漢方薬の選び方と使い分けについて解説する。

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