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ダイエットに効く漢方(1)
ダイエットの考え方と漢方処方

2014/01/14

 古今東西、ダイエットは常に老若男女の関心の的です。特に食べ物が豊富にあり、食べたい物が簡単に手に入る時代においては、ちょっと油断をすればすぐに体重計の針が、動いて欲しくないほうに動くことになります。

 そんなにたくさん食べている訳ではないのに体重が減らない、という人もいます。人は誰でも20歳代を超えると、年齢とともに機能が衰えていくものです。たくさん食べていないつもりでも、若い頃と同じ量を食べていれば、体重は増えます。自分の年齢や、運動不足かどうかなどの生活習慣の見直しは、最低限、必要なことです。

 漢方ではダイエットのことを「減肥」といいます。文字通り、余分な脂肪を減らすということです。食べ過ぎや運動不足を改めつつ、太りやすい体質そのものを漢方薬で改善し、「太りにくい体質」を作っていきます。

 ダイエット(肥満)の証(しょう)には、以下のようなものがあります。

 一つ目は「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証です。身体の諸機能を調節する五臓の肝の気が滞りやすい体質です。脂肪を体内に蓄える機能が失調したり、食欲が必要以上に増進したりして、体重が増えます。ストレス太りに相当します。肝気の流れをスムーズにする漢方薬が効果的です。

 二つ目は「 痰湿(たんしつ)」証です。痰湿というのは体内に溜った過剰な水分や湿気のことです。脂肪も含まれます。これが原因で体重が増加している場合がこの証です。胸苦しい、胃がつかえるなどの症状が同時によくみられます。この場合は、痰湿を取り除く漢方薬で体質を改善していきます。

 三つ目は「 脾気虚(ひききょ)」証です。脾は五臓の一つで、消化吸収や代謝をつかさどる機能です。この機能が弱い体質であるために代謝が悪く、体重が減りません。脾の機能を補う漢方薬で、体重増加を解消していきます。

 四つ目は「腎陽虚(じんようきょ)」証です。水液をつかさどる五臓の腎の機能が低下し、さらに冷えを伴う体質です。腎機能の低下により、水分が滞り、水太り、下半身太りの状態になります。身体を温めて腎機能を強める漢方薬を使います。

 五つ目は「 血瘀(けつお)」証です。血流が鬱滞しやすい体質です。食べ過ぎや飲み過ぎで 体重が増加し、さらに肝臓に負担がかかっているという場合があります。そういう場合は、血行を改善することにより肝臓への負担を和らげるため、血瘀を改善する漢方薬を用います。

■症例1

「169センチで75キロあります。社会人になってから、体重がじわじわ増えました」

著者プロフィール

幸井俊高(「薬石花房 幸福薬局」代表)
こういとしたか氏。東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。ジョージ・ワシントン大学経営大学院修了。1998年、中国政府より中医師の認定を受け、日本人として18人目の中医師となる。2006年に「薬石花房 幸福薬局」を開局。『漢方でアレルギー体質を改善する』(講談社)『男のための漢方』(文春新書)など著書多数。

連載の紹介

幸井俊高の「漢方薬 de コンシェルジュ」
東京の老舗高級ホテル「帝国ホテル」内で、完全予約制の漢方薬局を営む幸井氏。入念なカウンセリングを行い、患者一人ひとりに最適な漢方薬を選んでくれる薬局として、好評を博している。これまで多くの患者と接してきた筆者が、疾患・症状ごとに症例を挙げて、漢方薬の選び方と使い分けについて解説する。

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