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服薬日誌で発覚した思わぬ飲み間違い

2021/04/30

70歳台男性 Gさん

現病歴:大腸がん(病理病期Stage IIIC)
大腸がんの原発巣切除術を受けた後、術後補助療法としてXELOX療法(カペシタビン[商品名ゼローダ他]、オキサリプラチン[エルプラット他]の併用療法)を受けているGさん。今回、3コース目初日の点滴治療のため受診し、医師の診察前に薬剤師外来で服薬アドヒアランスや副作用の確認を行った。

※XELOX療法の治療スケジュールは、初日にオキサリプラチンなどの点滴治療を行い、2週間カペシタビンを服用。その後1週間休薬で1コース。

<Gさんに処方されていた経口の支持療法薬>
(1)デカドロン錠4mg  1回2錠(1日2錠)
     1日1回  朝食後  2日分
(2)【般】メトクロプラミド錠5mg  1回1錠
     吐き気時 1日3回まで 10回分

川上「前回、点滴の治療を受けた後から、体調はいかがでしょうか」

G「点滴直後は、冷たいものに敏感になりました。1回目、2回目とも、治療の後の吐き気は全くなく、食事も普通に食べられました。吐き気止めの進化ってすごいですね」

川上「それは良かったです。では、ゼローダはスケジュール通り、毎日14日間飲めましたね」

G「しっかり飲めました。今朝でちょうど飲み終わりました。これなら3回目も治療を続けられそうです」

川上「ん!?(今朝まで飲んだ?ゼローダではなく、何か違う薬と勘違いしているのか?)そうですか、治療日誌を見せていただけますか」

G「(治療日誌を見せながら)ちゃんと言われた通り書いてきました。手帳のスケジュールの通りで、ゼローダも今朝で飲み終わりましたよ」

川上「……(治療日誌を見てあぜん、そういう理解もあるのか!)」

著者プロフィール

川上和宜(がん研有明病院薬剤部臨床薬剤室長) かわかみかずよし氏。2000年昭和薬科大学大学院医療薬学専攻修了、博士(薬学)。日本医療薬学会認定「がん専門薬剤師」「がん指導薬剤師」。2019年から現職。「がん専門薬剤師は資格を取ってからが勝負!」をモットーに、日々、試行錯誤しながら薬剤師外来を行っている。時にくじけそうになることもあるが、持ち前の前向きさと粘り強さを武器に、患者と真摯に向き合う。

連載の紹介

川上和宜の「患者に向き合う!がん薬剤師外来」
薬剤師が苦手意識を抱きがちな、抗がん剤の薬学管理。「薬剤師の仕事は、薬を調剤して服薬指導するだけでなく、薬学的視点から治療効果を最大限に引き出して副作用を最小限に抑える、がんの薬物療法全体をマネジメントすることだ」と語る川上和宜氏が、薬剤師外来における実践例を交えてコツをレクチャーします。ご意見・ご質問もお待ちしています。

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