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XELOX療法中の下痢、原因はカペシタビン?

2020/09/29

68歳男性Cさん

職業:警備員、同居家族:妻
現病歴:進行性結腸がん、再発
レジメン:結腸がん(進行再発) XELOX+Bv療法(カペシタビン[商品名ゼローダ他]、オキサリプラチン[エルプラット他]の併用治療にベバシズマブ[アバスチン他]を追加)

 今回Cさんは、外来でXELOX療法の2コース目の治療を受けるために来院。医師の診察前に薬剤師外来で面談を行った。

川上「3週間前に受けた初回の抗がん剤治療の後、体調はどうでしたか」

C 「下痢があったね。手帳にその時のことを書き留めておいたよ」

川上「体調のこと、治療日誌に記載してくれたんですね。いいですね。こちらとしてはご自宅での状況が分かって助かります。下痢はいつごろから出始めましたか」

C 「点滴した後、しばらくたってからかな。『抗がん剤で下痢の副作用が出る』って聞いていたんだけど、最初は便秘で、その分が後になって下痢で出た感じだった」

川上「手帳の内容からもそんな感じですね。カペシタビンを内服していた2週間のうち、後半1週間は、下痢はなかったですか」

C 「なかったね。俺もカペシタビンで下痢になるって聞いていたから、飲んでる間は下痢になるのかと思ったら、便秘の後に下痢になっただけだったよ」

川上「なるほど。それはカペシタビンによるものではなさそうですね。次のコースからはあらかじめ便秘対策をやっていけば、少し楽に過ごせると思います」

※XELOX+Bv療法の治療スケジュールは、初日にオキサリプラチン、ベバシズマブなどの点滴治療を行い、2週間カペシタビンを服用。その後1週間休薬で1コース。

著者プロフィール

川上和宜(がん研有明病院薬剤部臨床薬剤室長) かわかみかずよし氏。2000年昭和薬科大学大学院医療薬学専攻修了、博士(薬学)。日本医療薬学会認定「がん専門薬剤師」「がん指導薬剤師」。2019年から現職。「がん専門薬剤師は資格を取ってからが勝負!」をモットーに、日々、試行錯誤しながら薬剤師外来を行っている。時にくじけそうになることもあるが、持ち前の前向きさと粘り強さを武器に、患者と真摯に向き合う。

連載の紹介

川上和宜の「患者に向き合う!がん薬剤師外来」
薬剤師が苦手意識を抱きがちな、抗がん剤の薬学管理。「薬剤師の仕事は、薬を調剤して服薬指導するだけでなく、薬学的視点から治療効果を最大限に引き出して副作用を最小限に抑える、がんの薬物療法全体をマネジメントすることだ」と語る川上和宜氏が、薬剤師外来における実践例を交えてコツをレクチャーします。ご意見・ご質問もお待ちしています。

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