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連載【第16問】
検査前の絶飲食時に適した輸液療法は?

2020/12/09
伊東 明彦

 これまでは、地域医療における薬剤師の対応を念頭に出題してきましたが、今回からは、病院薬剤師の業務に関連した問題です。

 私が病院に勤めていた頃は、外来処方箋や入院処方箋の調剤に追われていました。やっても、やっても、一向に減らない処方箋! 今でも時々、夢に見ます。夢の中では、スピードが上がらない。だからどんどん焦る。そして眼が覚める――といった具合です。

 時代は流れて、今や、病院薬剤師の業務の中心は病棟業務になり、患者さんの薬物治療へ関与になりましたね。今回は、新規入院患者のケースを取り上げ、適切な輸液療法について考えてみましょう。

 Yさんは23歳、男性(身長170cm、体重58kg)。腹痛、下痢などを訴えて受診しました。問診の結果、症状は以前からあり、食事量も体重も減ってきた、とのことでした(健常時の体重は62kg)。入院時の体温は38.3℃、脱水や電解質の異常は認めず、口内炎が見られました。

 入院時の血液検査所見:アルブミン:3.8g/dL、AST:28IU/L、ALT:25IU/L、赤血球数:400万/μL、ヘモグロビン:12.3g/dL、白血球数:9500/μL、SCr:0.7mg/dL、BUN:10mg/dL、CRP:上昇、赤沈:亢進

 入院して精査することになりました。内視鏡検査や消化管造影検査などを行うに当たって絶飲食とするため、輸液を行うことになりました。

著者プロフィール

伊東明彦(明治薬科大学特任客員教授)いとう あきひこ氏 1978年星薬科大学卒業。東京女子医科大学病院薬剤部を経て、2005年に明治薬科大学薬学部 薬学科教授、2019年4月より現職。薬学教育協議会の専務理事・業務執行理事、病院・薬局実務実習関東地区調整機構事務局長を務める。

連載の紹介

伊東明彦の「解けるか?薬学生!」
明治薬科大学で卒業試験の問題をつくっていた伊東氏。ときに難題を出題して薬学生を悩ませていたが、その心には「薬剤師国家試験をパスするだけでなく、将来、薬剤師として現場で困らないようにしてあげたい」という願いがあった。同様に、本コラムでの出題を通して、全国の薬学生にエールを送る。

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