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【第7問】
加味逍遙散とベタヒスチンが処方された52歳女性

2019/12/19

 医療の体制がどんどん変わっていっているのを感じていますか?医療人を目指す薬学生の皆さんですから、日ごろから医療に関わるニュースを新聞、ネット、テレビなどで見聞きしていますよね。えっ?医療系の話題は面白くない? でも、ふと目にしたニュースから知識が広がることは多々ありますよ。常に新しい情報を得るようにアンテナを張っておくことが大切です。

 2019年には高額薬価の新薬が話題になりましたよね。白血病の治療薬で1回約3400万円! すごいですよね。ここでちょっと考えるべきは、費用対効果、そして患者さんの負担額です。日本の公的医療保険では、原則として患者さんは3割負担ですが、高額療養費制度があります。こういった医療に関わる制度についても知識を広げておきましょう。

 また近年、地域包括ケアシステムの構築が叫ばれています。皆さんは地域包括ケアシステムについて理解していますか。「高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制を構築する」ですね。薬剤師として、地域包括ケアシステムの中で機能して活躍することが望まれています。そのための知識、技能、そして重要な態度を身に付けていきましょうね。努力は裏切らないと言いますから。

 色々な知識を広げなければならないと書きましたが、薬剤師としての基本は、言うまでもなく処方箋調剤です(単に処方箋に書かれている薬を集めることではないですよ。それは“ちょうざい”ではなく“ちょうだい”といいます)。

 処方箋調剤においては、まず患者さんの情報と薬の情報を照らし合わせて、その処方が患者さんの状態に適した薬なのか、用法・用量、剤形が適正かを判断することが求められます。そして、疑義があれば医師に照会します。問題がなければ、患者さんが正しく継続して服用・使用できるように説明、指導します。その際には、患者さんの顔や表情を確認しましょうね。今回の医薬品医療機器等法(薬機法)の改正によって、必要に応じて、薬剤交付後の経過をフォローすることも義務となりました。この一連の流れを美しく回すことが重要ですね。目標は、患者さんを“笑顔”にすること。薬剤師業務の全ての目標ですね。

 さて、今回は処方箋調剤に関連する問題です。薬剤師として対応してみましょう。

 52歳の女性Sさんが、近隣の医療機関を受診し、処方箋とお薬手帳を持って来局しました。Sさんに確認したところ、お薬手帳に記載のある薬剤は現在も継続して服用しているとのことでした。

著者プロフィール

伊東明彦(明治薬科大学特任客員教授)いとう あきひこ氏 1978年星薬科大学卒業。東京女子医科大学病院薬剤部を経て、2005年に明治薬科大学薬学部 薬学科教授、2019年4月より現職。薬学教育協議会の専務理事・業務執行理事、病院・薬局実務実習関東地区調整機構事務局長を務める。

連載の紹介

伊東明彦の「解けるか?薬学生!」
明治薬科大学で卒業試験の問題をつくっていた伊東氏。ときに難題を出題して薬学生を悩ませていたが、その心には「薬剤師国家試験をパスするだけでなく、将来、薬剤師として現場で困らないようにしてあげたい」という願いがあった。同様に、本コラムでの出題を通して、全国の薬学生にエールを送る。

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