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処方提案より残薬報告の方が点数が高いという矛盾

2022/04/27

Illustration:立花 満

 2022年度調剤報酬改定では、医療用麻薬の持続皮下注射や中心静脈栄養法を受ける患者を担当する場合など、いわゆる“重い在宅”について新たな点数が高めに設定された。

 在宅で麻薬持続皮下注射を使う患者について、生理食塩水で希釈したり、輸液に他の薬剤を混合した場合は、無菌製剤処理加算が算定できる。しかしPCAポンプのカートリッジに麻薬の原液を無菌的に充填しても同点数は算定できない。中心静脈栄養法についても、多室式タイプの輸液バッグ製剤を使う場合、当然、無菌製剤処理加算は算定できない。麻薬持続注射療法や中心静脈栄養法の患者には、無菌的な薬剤調製だけでなく、ポンプやルート、麻薬や輸液の管理指導が必要であり、今回、それらに点数が付いたのは、在宅医療に取り組む薬局薬剤師の立場からすると非常にありがたい。

 一方で、以前からある点数の中で、現場の感覚として納得できないものが幾つかある。1つは、経管投薬支援料だ。胃瘻などで経管投与する患者の介護者らに、簡易懸濁法による薬剤投与の支援を行った場合に算定できる点数だ。簡易懸濁法は、薬剤を粉砕して投与する方法に比べて、簡便で安定性の面などでも優れている。ただし、介護者が温湯を用意して薬剤を懸濁しなければならず、その方法を習得してもらうために、訪問のたびに手技を確認したり説明が必要なことが多い。しかし同点数の算定は初回のみだ。一連の支援に対する評価なのかもしれないが、「初回のみの算定」というのは、薬剤師の仕事が「説明して終わり」とみなされているようで何だかふに落ちない。

連載の紹介

Inside Outside
薬業界に精通した薬剤師が匿名で薬局・薬剤師に関わる諸問題を自由に論じます。(このコラムは「日経ドラッグインフォメーション」で連載されている同名のコラムの転載です。本コラムに関するご意見・ご要望は、「お問い合わせフォーム」にてお送りください)

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