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22年度報酬改定への対応を見誤らないためには

2022/01/21
狭間 研至=ファルメディコ(大阪市北区)代表取締役、思温病院(大阪市西成区)理事長、医師

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、世界に冠たると称される日本の医療モデルの欠点が浮き彫りになりました。この日本で、適切な医療を受けられずに、医療機関以外の場所で不幸にもお亡くなりになるということが現実に起こってしまったわけです。

 我が国では、働く世代が多くて医療を受ける世代が少なかった時代に設計された現在の健康保険制度の限界が明らかになり、2025年に「住み慣れた地域で最期まで」を実現する「地域包括ケアシステム」を実現すべく、大胆な医療制度改革を行ってきました。しかしそれだけではカバーしきれないシステム上の問題が、COVID-19によって明らかになったと言えるでしょう。

 そのような流れの中で迎える2022年度診療報酬改定、そして調剤報酬改定は、従来とは大きく異なる観点で議論がなされてきました。2年に1度の報酬改定は、私たち医療業界に身を置くものにとってある意味では恒例行事であり、それなりに対応策を心得ている読者も多いと思います。私もその1人ですが、今回の調剤報酬改定は、新型コロナウイルスの感染拡大以降、明らかになった医療業界の課題への対応も求められたものになっており、従来のような“小手先”の対応で乗り切れるものではないと感じてきました。

 そうした中、去る22年1月12日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会では、調剤料だけでなく薬学管理料も「対物・対人」という観点から見直されることが明らかになり、1月14日の総会では委員からの異論もなく次の検討に進むことになりました。

 今回の調剤報酬改定は、これまでの調剤報酬のあり方を根本から変えるもので、その内容を見ると、本コラムでたびたび執筆してきた私の予想は、それほど大きくは間違っていなかったように思います。これからの薬局や薬剤師のあり方をしかるべき形に変化させていけるように、22年度調剤報酬改定への対応を見誤らないためのポイントを3つの観点から整理しておきたいと思います。

著者プロフィール

狭間研至(ファルメディコ株式会社[大阪市北区]代表取締役、思温病院[大阪市西成区]理事長)
はざま けんじ氏。薬局の息子として育ち、大阪大学医学部を卒業して外科医に。2004年、同大学大学院医学系研究科臓器制御外科(博士課程)修了と同時に、実家の薬局を継承。薬局経営を続けながら、医師としては在宅療養診療所勤務を経て、17年1月より思温病院(大阪市西成区)の理事長に就任。薬剤師生涯教育、薬学教育にも積極的に取り組んでいる。

連載の紹介

狭間研至の「Road to 薬剤師3.0」
「日本の地域医療をこれまで以上に機能させるには、薬局・薬剤師が第3世代(=3.0)に進化することが不可欠」という持論を持つ狭間氏。薬局経営者として、時に臨床医として、多忙ながらも充実した日々を送る狭間氏が、日常のちょっとした場面を切り取りながら、次世代の薬局や薬剤師のあり方を発信します。

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