
先日、三重県の薬局が無資格調剤などにより行政処分されたというニュースが報道されました(関連記事:処方箋なし販売と無資格調剤で行政処分)。複雑な思いでご覧になった方も多いと思うのですが、私もその1人です。
私自身は、薬剤師が対物業務から対人業務にシフトしていくには、「業務フローの整理と見直し」および「積極的な機械化とICT化」を行うことで、業務的重要性は高いが、薬学的専門性はないという業務をあぶり出し、それを担うための「非薬剤師スタッフ(パートナー)の教育と導入」を行うことが欠かせないと思ってきました。
これらの取り組みを進めて初めて、薬剤師が患者を良くするための時間・気力・体力を確保することができるのだというのが、私自身の実感なのですが、調剤は薬剤師のみが行うということを規定した薬剤師法19条があり、なかなか難しい面もありました。
そんな中、2019年4月2日に厚生労働省から発出された「調剤業務のあり方について」と題するいわゆる「0402通知」が出て、業界的にもインパクトがあったと思うのですが、その一方で、この通知は非常に誤解されやすいと感じてきました。
その代表的なものが「ようやく、日本にもテクニシャン制度が部分的とはいえ許可された」というように捉えられる向きがあることですが、全く違います。詳細な背景は分かりませんが、今回の無資格調剤のニュースでも、0402通知を正しく読み込まないことが遠因になっているのではないかと感じる面もあります。
では、なぜ、このような誤解やそれに基づく不適切な事案が起こり得るのか。私が考える代表的な理由を3つお示ししたいと思います。