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「アマゾン薬局」に気付かれたくないこと

2020/12/14
狭間 研至

 以前、本コラムでも触れましたが、米アマゾン・ドット・コムが薬局を始めたというニュースが流れてきました(関連記事:「アマゾン薬局」は脅威なのか?)。そしてそれに追随するように、関連した解説記事もネット上などで散見されるようになりました。

 基本的には米国での出来事ですが、その後の報道のされ方や、諸々の特集記事などを読むにつけ、その衝撃度が極めて大きいことを日本にいながらも感じることができます。

 個人的な話で恐縮ですが、2000年にアマゾンの日本語サイトがオープンして以来、私はアマゾンを積極的に利用してきました。「like」より「love」だというぐらいに、アマゾンは日常的に使ってきました。しかし、これまでアマゾンが“破壊”してきた(というより、消費者としての私自身が、その恩恵を享受してきた)書籍、玩具、スポーツ商品、生活雑貨などとは比べものにならないくらい、処方薬は消費者の「ニーズ」も「ウォンツ」も高いわけです。

 アマゾンの競争優位性や保険調剤市場のマーケットサイズを考えると、薬局経営者としては固唾をのんで見守るような思いになりますし、個人的には「love」の対象であったアマゾンが、「アマゾン薬局」として突如対峙(たいじ)すべき対象になるというのは、ドラマや小説のようで複雑な思いでもあります。

 では、このまま、指をくわえて見ているしかないのか、となると、そうでもないと思うのです。米国でのリアル薬局が受ける影響と比べて大きいのか小さいのかはわかりませんが、いずれにせよ、何らかの対応を考えて実行に移していかなければなりません。

 私は、まずは米国と日本との医療や処方薬を取り巻く環境が違うことを念頭に、その共通点と相違点を比較してみることが大事だと感じています。

著者プロフィール

狭間研至(ファルメディコ株式会社[大阪市北区]代表取締役、思温病院[大阪市西成区]理事長)
はざま けんじ氏。薬局の息子として育ち、大阪大学医学部を卒業して外科医に。2004年、同大学大学院医学系研究科臓器制御外科(博士課程)修了と同時に、実家の薬局を継承。薬局経営を続けながら、医師としては在宅療養診療所勤務を経て、17年1月より思温病院(大阪市西成区)の理事長に就任。薬剤師生涯教育、薬学教育にも積極的に取り組んでいる。

連載の紹介

狭間研至の「Road to 薬剤師3.0」
「日本の地域医療をこれまで以上に機能させるには、薬局・薬剤師が第3世代(=3.0)に進化することが不可欠」という持論を持つ狭間氏。薬局経営者として、時に臨床医として、多忙ながらも充実した日々を送る狭間氏が、日常のちょっとした場面を切り取りながら、次世代の薬局や薬剤師のあり方を発信します。

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