DI Onlineのロゴ画像

いつもより長期の処方箋を受け取ったら

2020/03/24

 令和初めての年越しをした頃は、今の日本、そして世界の状況は、誰も予想できていなかったと思います。今や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響はいろいろなところに及んでいますが、日常の医療も例外ではありません。

 私の診察室でも「先生、いろいろあるから、お薬を長く出してほしい」という患者さんが少しずつ増えています。特に、介護サービスを受けられていてヘルパーさんが付き添いで受診されている方に、その傾向が強いように思います。

 「いやいや、あなたは無理」という患者さんと、「もう、そうしましょ、そうしましょ」という患者さんに分かれます。後者は、本当に病状が安定していて、医師の診察は年に数回で、血液検査と必要に応じた処方調整くらいでいけそう、という方です。こういった患者さんは、これを機に、ずっとこのペースでいいのでは?と率直に思います。

 一方、前者のように、私が長期処方をためらうのは、病状が安定しない患者さんや、コンプライアンスが悪くて、今まで何度も定期受診が途切れている方などです。とはいえ、こういうご時世なので、「そうですね……」と、いつもよりは長めの日数で処方する機会が増えてきました。

 でも、それはCOVID-19にまつわる様々な影響を受けて、致し方なく応じているだけで、病状の安定やコンプライアンスの維持にかかる不安は、全く解消されていませんし、患者さんやヘルパーさんの不安も同様に存在したままです。どうしたものかな、と診察室で悶々としていたのですが、ふと気づいたことがあります。

著者プロフィール

狭間研至(ファルメディコ株式会社[大阪市北区]代表取締役、思温病院[大阪市西成区]理事長)
はざま けんじ氏。薬局の息子として育ち、大阪大学医学部を卒業して外科医に。2004年、同大学大学院医学系研究科臓器制御外科(博士課程)修了と同時に、実家の薬局を継承。薬局経営を続けながら、医師としては在宅療養診療所勤務を経て、17年1月より思温病院(大阪市西成区)の理事長に就任。薬剤師生涯教育、薬学教育にも積極的に取り組んでいる。

連載の紹介

狭間研至の「Road to 薬剤師3.0」
「日本の地域医療をこれまで以上に機能させるには、薬局・薬剤師が第3世代(=3.0)に進化することが不可欠」という持論を持つ狭間氏。薬局経営者として、時に臨床医として、多忙ながらも充実した日々を送る狭間氏が、日常のちょっとした場面を切り取りながら、次世代の薬局や薬剤師のあり方を発信します。

この記事を読んでいる人におすすめ