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薬局3.0、薬局マネジメント3.0、薬剤師3.0の先

2019/03/04
佐原加奈子

 2008年ごろ、私は「薬局3.0」という概念をまとめました。「薬局」というビジネスモデルの変遷を振り返り、OTC薬の相談販売をメインとした昔ながらの薬局を第1世代として「薬局1.0」、現在主流の調剤業務を専業とするいわゆる調剤薬局を第2世代として「薬局2.0」、そして、在宅療養支援に参画し地域包括ケアシステムを支える薬局を第3世代として「薬局3.0」と呼ぶことを提案しました。

 この呼び方に対しては賛否があると思いますが、薬学教育6年制への移行、地域医療ニーズの変化や社会保障制度の変化など、この数年の業界と社会の動きを鑑みれば、「薬局は変わらなければならない」という点についてはコンセンサスが得られてきているように思います。

 薬局が変わるためには、採算性や労務管理を含めた薬局のマネジメントを変えなければなりません。「薬局1.0」では、小売業としてのマネジメントが求められました。そして現在主流の「薬局2.0」では、立地に依存した対物業務を、早く、正確に、分かりやすく行うことで収益を確保するというマネジメントが求められています。

 そして、「薬局3.0」では、立地に依存せずに、対人業務を行いながら多機能を発揮する薬局を運営するために、従来とは異なるマネジメントが必要とされます。すなわち、薬局マネジメントも1.0から2.0、そして、3.0へと移行する必要があるわけです。この概念を「薬局マネジメント3.0」として、私自身も実践してきました。

 薬局のビジネスモデルが変わり、薬局マネジメントも変わるわけですから、そこで働く薬剤師も変わらなければなりません。つまり、薬剤師も1.0から2.0、そして3.0へと変化していくと思います。誤解を恐れずに言うならば、商売が上手な「薬剤師1.0」、調剤が上手な「薬剤師2.0」、そして、患者の“謎解き”が上手な「薬剤師3.0」と置き換えると分かりやすいでしょうか。

 昨今の表現を借りれば、薬を渡すまでの対物業務が主体の「薬剤師2.0」から、少なくとも服用期間中はフォローし、薬学的見地から患者をアセスメントした上で、必要に応じて医師にフィードバックするという対人業務が主体の「薬剤師3.0」に変わるということです。そして、これは薬学教育が6年制に移行したことにリンクするのではないかと思っています。

著者プロフィール

狭間研至(ファルメディコ株式会社[大阪市北区]代表取締役、思温病院[大阪市西成区]理事長)
はざま けんじ氏。薬局の息子として育ち、大阪大学医学部を卒業して外科医に。2004年、同大学大学院医学系研究科臓器制御外科(博士課程)修了と同時に、実家の薬局を継承。薬局経営を続けながら、医師としては在宅療養診療所勤務を経て、17年1月より思温病院(大阪市西成区)の理事長に就任。薬剤師生涯教育、薬学教育にも積極的に取り組んでいる。

連載の紹介

狭間研至の「Road to 薬剤師3.0」
「日本の地域医療をこれまで以上に機能させるには、薬局・薬剤師が第3世代(=3.0)に進化することが不可欠」という持論を持つ狭間氏。薬局経営者として、時に臨床医として、多忙ながらも充実した日々を送る狭間氏が、日常のちょっとした場面を切り取りながら、次世代の薬局や薬剤師のあり方を発信します。

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