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薬剤師が「難局」を乗り切る方法とは

2018/03/08

 2018年度調剤報酬改定によって、いわゆる「門前薬局」や「医療モール併設薬局」は、企業規模の大小を問わず、大きな業態変化を迫られそうです。もちろん、今まで通りの仕事ぶりでもよいのですが、薬局経営の観点から採算が合わなくなります。採算が合わないということは、そのサービスを続けることはできないということですから、自然と薬局や薬剤師の在り方は変わらざるを得なくなっていくと思います。

 人は誰しも変化を嫌います。同じことを繰り返すことは、いうなれば「生存の安心」につながります。現代の日本において、生物学的生命を脅かされることはありませんが、保険制度における報酬が変わるということは、企業の存続、つまり社会的生命を脅かされることを意味しており、本能的に避けたいというのは私も含めて当然の感情です。

 しかし、現在のいわゆる「調剤薬局」の在り方は、残薬や不適切な多剤併用(ポリファーマシー)の問題を生み、結果的に患者さんの治療効果が十分に得られないばかりか、薬剤性の有害事象につながっているのではないかと批判の目が向けられています。このことは、医療費の増大を抑制するという観点で問題ですが、それ以上に、医薬品の適正使用や医療安全の確保という、薬剤師の果たすべき役割・使命という視点において大問題です。

 同時に、この10年ほどで急速に進歩した機械化と情報通信技術(ICT)化によって、ともすれば薬剤師の存在意義が揺らぎかねない状況になっています。

 これらの状況を重ね合わせると、今は薬剤師にとって「難局」と言えるのではないでしょうか。「変わりたいけど、変われない。でも、変わらないままでいるわけにもいかない」という少なからず困った状況のように感じます。この「難局」を乗り切る方法を考えてみました。

著者プロフィール

狭間研至(ファルメディコ株式会社[大阪市北区]代表取締役、思温病院[大阪市西成区]理事長)
はざま けんじ氏。薬局の息子として育ち、大阪大学医学部を卒業して外科医に。2004年、同大学大学院医学系研究科臓器制御外科(博士課程)修了と同時に、実家の薬局を継承。薬局経営を続けながら、医師としては在宅療養診療所勤務を経て、17年1月より思温病院(大阪市西成区)の理事長に就任。薬剤師生涯教育、薬学教育にも積極的に取り組んでいる。

連載の紹介

狭間研至の「Road to 薬剤師3.0」
「日本の地域医療をこれまで以上に機能させるには、薬局・薬剤師が第3世代(=3.0)に進化することが不可欠」という持論を持つ狭間氏。薬局経営者として、時に臨床医として、多忙ながらも充実した日々を送る狭間氏が、日常のちょっとした場面を切り取りながら、次世代の薬局や薬剤師のあり方を発信します。

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