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対物から対人にシフトするための2つのポイント

2018/02/26

 今、薬剤師の業界でブームのようになっている「対物から対人」。厚生労働省が示した「患者のための薬局ビジョン」でも、これからの薬剤師が目指すべきポイントの1つとして明記されています。

 私も講演などで「クスリというモノを渡す仕事から、患者さんというヒトを良くする仕事へ」とお伝えしています。参加者の中には、一瞬、怪訝そうな顔をしつつも、すぐに数回うなずいて、何か思い当たる節があるような表情をされる方がいます。

 医師、薬剤師、看護師など医療職を目指す方の多くは「患者さんの役に立ちたい」という気持ちで、その学びやキャリアをスタートするのではないでしょうか。とはいえ、医学部にせよ、薬学部にせよ、看護学部にせよ、進学を決めるのは高校時代で、世間をそれほど知らないうちに大きな方向性を決めなければなりません。この段階で、それぞれの仕事の深い内容や在り方を理解しているとは考えにくいと思います。

 学生時代に自分の将来の職業について、あまり具体的なイメージは持っていない、というか、持てないのが普通です。実際、薬学部への入学動機が「間違わずに調剤したい」「POSで薬歴を書いてみたい」「抗がん剤を安全キャビネットで調製してみたい」だった、という学生は極めて少ないのではないかと思うのです。

 薬剤師の仕事は、今現在は、調剤報酬や医薬分業制度の制度設計の中で、薬を渡すまでの「対物業務」になっている印象が強いと感じる人が多いのではないかと思いますが、いずれ、患者さんと接する「対人業務」にシフトしていくことは、薬剤師を目指した時の本質的な動機付けから考えても、自然な流れになるのではないかと思います。

 しかし、なかなかうまくいかないのです。というか、私が運営するハザマ薬局では、うまくいかなかったのです。この問題を解決するためには、多大な時間と労力とお金を要しましたが、ようやく見極めた2つのポイントがあります。これらをクリアすると、極めてスムーズに、そしてシステマティックに、薬剤師の業務を「対物から対人へ」とシフトすることができたのです。

 今回は、そのポイントを皆さんとシェアしたいと思います。

著者プロフィール

狭間研至(ファルメディコ株式会社[大阪市北区]代表取締役、思温病院[大阪市西成区]理事長)
はざま けんじ氏。薬局の息子として育ち、大阪大学医学部を卒業して外科医に。2004年、同大学大学院医学系研究科臓器制御外科(博士課程)修了と同時に、実家の薬局を継承。薬局経営を続けながら、医師としては在宅療養診療所勤務を経て、17年1月より思温病院(大阪市西成区)の理事長に就任。薬剤師生涯教育、薬学教育にも積極的に取り組んでいる。

連載の紹介

狭間研至の「Road to 薬剤師3.0」
「日本の地域医療をこれまで以上に機能させるには、薬局・薬剤師が第3世代(=3.0)に進化することが不可欠」という持論を持つ狭間氏。薬局経営者として、時に臨床医として、多忙ながらも充実した日々を送る狭間氏が、日常のちょっとした場面を切り取りながら、次世代の薬局や薬剤師のあり方を発信します。

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