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調剤報酬改定を「患者のための薬局ビジョン」で読み解く

2018/02/20

厚労省が2015年10月23日に公表した「患者のための薬局ビジョン」

 2018年度調剤報酬改定に示された考え方は、突然出てきたものではありません。

 未曾有の超高齢社会に突入した我が国で、国民皆保険制度を堅持しながら、国民が安心・安全に暮らせるようにするためには、これまでの考え方を抜本的に変える必要があります。そのための具体的方策として2013年に厚生労働省から提示された「地域包括ケアシステム」の実現に向けた流れが、調剤報酬を含めて医療・介護報酬全体に反映されています。

 特に調剤報酬については、地域包括ケアシステム実現に向けて、2015年10月に厚労省から示された「患者のための薬局ビジョン」を踏まえた変化が随所に見られます。今回は、2018年度調剤報酬改定を「患者のための薬局ビジョン」から読み解いてみたいと思います。

 その「患者のための薬局ビジョン」ですが、これも唐突に発表されたわけではなく、地域包括ケアシステム実現に向けて薬局は何をすべきかという視点で、国の方針が具体的に示されたものと捉えると理解しやすいと思います。

 国民が、その人らしく、住み慣れた地域で自立して生活するためには、薬物治療が適正に行われることはもとより、予防や介護についても、システマティックな取り組みやサポートが必要です。しかし薬局や薬剤師という地域における巨大な医療リソースが「門前」という立地に固執し、薬という「モノ」を渡す業務に汲々としているのが現状で、それは見逃すわけにはいかない、という考え方がベースにあると思います。

 端的に言えば、多くの患者さんが歩いて医療機関や薬局に通うことができなくなる時代を前に、歩いて来局する患者さんしか対象としない薬局や薬剤師の在り方を変えなくてはならない、と考えたわけです。

 実際、「患者のための薬局ビジョン」では、3つのテーマと1つの大目標が明記されています。

著者プロフィール

狭間研至(ファルメディコ株式会社[大阪市北区]代表取締役、思温病院[大阪市西成区]理事長)
はざま けんじ氏。薬局の息子として育ち、大阪大学医学部を卒業して外科医に。2004年、同大学大学院医学系研究科臓器制御外科(博士課程)修了と同時に、実家の薬局を継承。薬局経営を続けながら、医師としては在宅療養診療所勤務を経て、17年1月より思温病院(大阪市西成区)の理事長に就任。薬剤師生涯教育、薬学教育にも積極的に取り組んでいる。

連載の紹介

狭間研至の「Road to 薬剤師3.0」
「日本の地域医療をこれまで以上に機能させるには、薬局・薬剤師が第3世代(=3.0)に進化することが不可欠」という持論を持つ狭間氏。薬局経営者として、時に臨床医として、多忙ながらも充実した日々を送る狭間氏が、日常のちょっとした場面を切り取りながら、次世代の薬局や薬剤師のあり方を発信します。

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