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在宅医療チームに薬剤師がしっくり溶け込むためには

2014/11/20

 チーム医療ということが言われるようになって久しいですが、薬剤師のチーム医療への関わりは、なんだかギクシャクすることも多いです。どうしてなのでしょうか?

 薬剤師の在宅医療に関する研修会などに参加し、そのワークショップやロールプレイなどを見学させていただくと、ちょっとした違和感を覚えることがあります。

 熱心に討議は行われているのです。どの参加者も、自らの経験や知識を基に、推測も働かせながら意見を交換し、グループによっては議論が白熱することも少なくありません。

 もちろん、医師としての視点と薬剤師としての視点は異なって当然なのですが、テーブルを回って、そのやりとりを聞いている私には、惜しいというか、ちょっと微妙な気持ちになってしまうことが多いのです。

 どうしてなんだろう、と思っていましたが、最近になって、同じチームのメンバーとして共有すべきことが、共有できていないからではないかと気付きました。

 医療において、あらゆる行動や思考の目標は、患者の疾病の治癒、病状の改善であることに異論はないと思います。そうなると、チームメンバーの関心は患者の状態にあります。しかも、今、最新の状態はどうなのかということは、医療チームにとって最大の関心事項のはずです。

 また、患者の状態の改善という目標に向けて、チームのメンバーはその専門性を駆使して様々な介入を行います。外科的処置のこともあるでしょうし、看護ケアのこともあるでしょう。ここにその職種の専門性が活かされ、お互いに補完し合いながら疾病の治癒に向けて突き進むというのは、医療における醍醐味だと思います。

 自らが介入した結果は、必ず、その後いずれかの時点で自らチェックするはずです。そして、その時の状況から次なる一手を考え出し、新たな介入につなげるというように業務のリズムは螺旋状になっていくと思うのです。

 一方、現在の薬剤師業務においては、この目標、関心、リズムが微妙に、明確に異なっているように感じます。外来処方箋をいかに正しく、効率良く処理するかが大きな命題になってきた、“調剤薬局”にとっては当然なのですが、薬剤師にとっての目標は正確・迅速な調剤であり、それを達成し得るための知識や技術、ノウハウの習得に関心があり、業務のリズムは、処方箋の応需から薬歴記載までといった始点と終点がある直線状のものです。

著者プロフィール

狭間研至(ファルメディコ株式会社[大阪市北区]代表取締役、思温病院[大阪市西成区]理事長)
はざま けんじ氏。薬局の息子として育ち、大阪大学医学部を卒業して外科医に。2004年、同大学大学院医学系研究科臓器制御外科(博士課程)修了と同時に、実家の薬局を継承。薬局経営を続けながら、医師としては在宅療養診療所勤務を経て、17年1月より思温病院(大阪市西成区)の理事長に就任。薬剤師生涯教育、薬学教育にも積極的に取り組んでいる。

連載の紹介

狭間研至の「Road to 薬剤師3.0」
「日本の地域医療をこれまで以上に機能させるには、薬局・薬剤師が第3世代(=3.0)に進化することが不可欠」という持論を持つ狭間氏。薬局経営者として、時に臨床医として、多忙ながらも充実した日々を送る狭間氏が、日常のちょっとした場面を切り取りながら、次世代の薬局や薬剤師のあり方を発信します。

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