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仕掛け人(!?)も驚くほどのスピード

2013/04/18

「バイタルサイン講習会」は、これまでに1500人を超える薬剤師に受講していただいています。

 前回は薬学生の動きについて書きましたが(2013.4.9「薬学生の動きから見えてくるもの」)、もちろん、薬剤師の中にも新しい動きが出ています。
 
 その一つに、バイタルサインやフィジカルアセスメントに関する講習会が、全国の様々なところで開かれるようになり、それらをテーマにした雑誌の特集、書籍が増えてきたことがあります。

 私は、2009年秋から一般の薬剤師さんを対象に、バイタルサインの手技や意義を伝える講習会を開催してきました。この講習会はもともと、私の薬局の薬剤師に、血圧の測定方法や聴診器の使い方などを、その基本的な知識や理論とともに教えるというものでした。なぜそんなことを始めたのか――。その理由は簡単で、医師や看護師が、そして最近では介護職の方も、日常的に情報をやり取りしているバイタルサインについて、薬剤師も理解し活用することは、薬剤師がチーム医療に参画していく上で欠かせないと考えたからです。

 バイタルサインに関わる手技そのものは、それほど難しいものではなく、きちんと学べば必ずできるようになります(もちろん、慣れは必要ですが…)。私の薬局では、ある程度、習熟した時点で、在宅患者さんや施設への訪問時に、薬剤師によるバイタルサインチェックを行うようにしました。

 そうすると、それまで薬局の中にいた薬剤師が、医療の現場で活躍する場面が広がってきたのです。この取り組みを、バイタルサインに関するシンポジウムで発表したところ、ある病院薬剤師の先生から、「病院の薬剤師は、医師や看護師に手技を学ぶチャンスがあるが、薬局の薬剤師にはなかなか難しいと思う。ぜひ他の薬局の薬剤師にも伝えるようにしてほしい」というメッセージをいただきました。

 それならばと、講習会の内容を見直し、5時間のコースに設定し直すとともに、その運営母体として「在宅療養支援薬局研究会」を09年12月に設立しました。当初は、受講者10人程度の講習会を細々と開催していましたが、徐々に受講者は増え、この3年半の間に1500人を超える薬剤師に受講していただいています。薬局の薬剤師だけでなく、病院や大学の薬剤師も多数ご参加いただくようになったため、12年7月には研究会の名称を「日本在宅薬学会」に変更し、現在、会員数が700人を超えたところです。

著者プロフィール

狭間研至(ファルメディコ株式会社[大阪市北区]代表取締役、思温病院[大阪市西成区]理事長)
はざま けんじ氏。薬局の息子として育ち、大阪大学医学部を卒業して外科医に。2004年、同大学大学院医学系研究科臓器制御外科(博士課程)修了と同時に、実家の薬局を継承。薬局経営を続けながら、医師としては在宅療養診療所勤務を経て、17年1月より思温病院(大阪市西成区)の理事長に就任。薬剤師生涯教育、薬学教育にも積極的に取り組んでいる。

連載の紹介

狭間研至の「Road to 薬剤師3.0」
「日本の地域医療をこれまで以上に機能させるには、薬局・薬剤師が第3世代(=3.0)に進化することが不可欠」という持論を持つ狭間氏。薬局経営者として、時に臨床医として、多忙ながらも充実した日々を送る狭間氏が、日常のちょっとした場面を切り取りながら、次世代の薬局や薬剤師のあり方を発信します。

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