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【第3回】褥瘡の動的病態評価のポイント(前編)
可動性のある褥瘡の「創」をどう評価する?

2018/05/22
古田 勝経

 褥瘡治療では、局所治療の6割近くが外用薬を用いた治療である。ただし、臨床現場において外用薬の効果を十分生かせているとは言い難く、「外用薬は効かない」といった誤解を抱いている医療者が存在するのも事実である。代わりに、創傷被覆材や陰圧閉鎖療法などの治療法を選択したりするが、深い褥瘡の場合、かえって難治化してしまうことも少なくない。

 連載第1回第2回で述べた通り、通常、褥瘡の処置を行う時は「静止」している創を観察している。しかし実際には、体位変換や車椅子への移乗などにより創は絶えず圧迫を受けたり、ずれており、持続した外力により特徴的な病態が表れる。このように褥瘡は動きにより生じる病態、つまり動的病態の評価が必要となる(以下、動的評価)。

 褥瘡の代表的な病態評価法である「DESIGN(デザイン)ツール」は、前述の「静止」した創の病態しか評価できないが(静的病態評価)、外力の影響を適切に把握できれば、創内摩擦による悪影響や、創内に充填したはずの薬剤が滞留しない「薬剤滞留障害」の原因を解明し、対策を講ずることができる。つまり、外用薬の効果を引き出すためには、創環境を知るための動的評価が不可欠なのである。

著者プロフィール

古田勝経(医療法人愛生館小林記念病院[愛知県碧南市]褥瘡ケアセンター センター長)ふるた かつのり氏。1976年名城大学薬学部卒業。国立名古屋病院、旧厚生省生活衛生局食品化学課、国立療養所東名古屋病院、国立長寿医療研究センター薬剤部副薬剤部長、同センター臨床研究推進部高齢者薬物治療研究室長などを経て、2015年から現職。日本褥瘡学会認定褥瘡薬剤師。外用療法研究会理事長、NPO法人褥瘡サミット理事長、慶應義塾大学、名城大学等の非常勤講師などを務める。日本褥瘡学会元理事、教育委員会委員ガイドライングループ(外用薬リーダー)を担当。

連載の紹介

古田勝経の「褥瘡はフルタ・メソッドで治る」
薬剤師の視点から、独自の褥瘡外用療法「FURUTA Methods」を考案し、これまで1000例以上の褥瘡治療に携わってきた古田氏が、治療のポイントや多職種連携の勘所などを解説します。

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