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薬剤師の疑問で三重大医師のカルテ改ざんが発覚

2021/03/17

 2020年9月11日、「三重大病院の医師がカルテ改ざん2200件 2800万円超の不正請求」という見出しの記事(中日新聞ウェブ版)がありました。その内容が医薬品に関係したものだったことと、権限(裁量権)を持つ立場の人(以下、管理責任者)の交代に関係しているように感じられたことから興味を持ちました。

 それから半年後、この出来事の全体像が明らかになってきたので、これまでの約30件の新聞記事に基づいて時系列をまとめます()。この出来事ですが、三重大学医学部附属病院臨床麻酔部のB准教授(48)が、2018年4月~20年3月の間に、実際には手術で使用しなかったオノアクト(一般名ランジオロール塩酸塩)を、投与したように電子カルテに入力し保険請求を行ったというものです。なお、使用しなかったオノアクトは廃棄されていたとのことです。

表 三重大病院医師によるカルテ改ざんの全体像(※クリックで拡大します)
※電磁的記録不正作出・同供用
 他人の事務処理を誤らせる目的で、それに使う電磁的記録を不正に作ったり供したりすること。刑法第161条の2(電磁的記録不正作出及び供用)により、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。この電磁的記録が公的(公務員が作成)なものの場合(公電磁的記録不正作出・同供用)は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる。

著者プロフィール

古川裕之(医療安全システムデザイナー)ふるかわ ひろゆき氏◎雪国(福井県大野市)の生まれ育ちなのに、性格はなぜかラテン系。1975年金沢大学薬学部卒業後、同大医学部附属病院、臨床試験管理センターを経て、2010年より山口大学医学部附属病院薬剤部長。18年に退職し、現在はフリーランスの「医療安全システムデザイナー」として活躍中。趣味は、写真撮影とブラジル音楽のバンド。薬学博士。

連載の紹介

古川裕之の「STOP!メディケーションエラー」
調剤する人は調剤エラーをする。調剤しない人は調剤エラーをしない。仕事をする限り、エラーから逃れることはできませんが、エラー事例から学ぶことで、重大なエラーを避けることはできます。「メディケーションエラー」防止に向けた10年以上の取り組みを通して学んだことを、分かりやすい具体例を示しながら紹介します。
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