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2021年8月、添付文書は紙から電子的提供へ

2020/11/17

 2021年8月1日から医薬品の情報は、外箱に入っている「医薬品添付文書(以下、添付文書)」に代わり、製品の調剤最小単位(錠剤・カプセルのPTPシートや注射用アンプル・バイアルなど)に表示されたコードからアクセスできるようになります。要指導医薬品や一般用医薬品、一般用医療機器は対象外です。また、21年8月1日~23年7月31日までは経過措置期間として、電子的な提供と紙の添付文書の同梱を並行して行うことが認められます。

 これまで、医薬品や医療機器の添付文書は頻繁に情報が改訂されるため、臨床現場で参照される添付文書が必ずしも最新のものではないことが問題となっていました。実際に薬剤師対象の調査において、手にした添付文書が最新のものであることを確認した病院薬剤師は19.3%、薬局薬剤師は28.8%であったことが報告されています。その他、同じ添付文書が同一医療機関に多数存在し、紙資源が無駄になっているといった問題も指摘されていました。

 そのため、添付文書情報の提供方法が見直され、医薬品医療機器等法(薬機法)改正に伴って21年8月1日から、紙の添付文書に代わりインターネットを介して「注意事項等情報」として、提供されることになります。厚生労働省は20年11月6日、来夏の開始に向けて、実施される注意事項等情報の電子化に関する省令案を公表し、パブリックコメントの募集を開始しました。

 ※医薬品、医療機器や再生医療等製品を使用する上で必要な注意等の事項は、医薬品医療機器等法第68条の2で「注意事項等情報」と定義

 この情報通信技術を用いた「注意事項等情報」の提供と医薬品流通経路の追跡(トレーサビリティ)の具体的な計画と内容は、厚労省資料から知ることができます。関連する同省の通知は次の通りです。

 ・ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の公布について
 ・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の改正を踏まえた添付文書等記載事項の情報通信技術を利用する方法による公表について

著者プロフィール

古川裕之(医療安全システムデザイナー)ふるかわ ひろゆき氏◎雪国(福井県大野市)の生まれ育ちなのに、性格はなぜかラテン系。1975年金沢大学薬学部卒業後、同大医学部附属病院、臨床試験管理センターを経て、2010年より山口大学医学部附属病院薬剤部長。18年に退職し、現在はフリーランスの「医療安全システムデザイナー」として活躍中。趣味は、写真撮影とブラジル音楽のバンド。薬学博士。

連載の紹介

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