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うっかりでは済まされない!患者情報の他言

2018/12/21

 2018年11月、島根大学医学部附属病院に搬送された殺人事件被害者の電子カルテが、業務に関係なく、多くの医療スタッフに閲覧されたという新聞報道がありました。

 病院による内部調査の結果、医師、看護師、薬剤師、事務職員など247人が、殺人事件発生の11月5日から3日間に、この患者の電子カルテを計312回も閲覧(5日161回、6日118回、7日33回)していました。

 その中には、業務に関係ない閲覧(不正閲覧)が含まれていることから、病院側は7日午後からこの患者の電子カルテへのアクセスを制限しました。病院情報システム内にアクセス記録が残っている247人のうち、96人が「不正閲覧」であると自己申告しています。

 言うまでもなく、病気に関する情報(診療情報)は他人に知られたくない個人情報です。2017年5月30日に施行された改正でも、診療情報はその取り扱いに関して特別の配慮が求めらる「要配慮個人情報」と位置付けられています。そして、「要配慮個人情報」の入手・保管・利用・第三者への提供について、個人情報保護法を順守した適切な管理が求められています。

 当然、島根大学医学部附属病院には「診療・業務に関係ない目的のために患者の情報をみだりに閲覧してはならない」との内部規定があり、全職員に対して「患者の診療情報の取り扱い」に関する院内規定を順守することを求めています。しかしながら、それが守られていませんでした。

著者プロフィール

古川裕之(医療安全システムデザイナー)ふるかわ ひろゆき氏◎雪国(福井県大野市)の生まれ育ちなのに、性格はなぜかラテン系。1975年金沢大学薬学部卒業後、同大医学部附属病院、臨床試験管理センターを経て、2010年より山口大学医学部附属病院薬剤部長。18年に退職し、現在はフリーランスの「医療安全システムデザイナー」として活躍中。趣味は、写真撮影とブラジル音楽のバンド。薬学博士。

連載の紹介

古川裕之の「STOP!メディケーションエラー」
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