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インスリンによる犯罪・事故を防止するには

2018/11/13

 血糖値を下げるインスリンには、前回のコラムで取り上げた“投与時のエラー(Medication Error)”だけでなく、別の大きな問題があります。それは、(1)インスリンを用いた犯罪、(2)自動車運転中の低血糖(意識低下)による事故――です。医療提供者は、これら2つのリスクについても理解すること、そして、特に薬剤師は、ハイリスク薬のインスリンを適切に管理する重要性を認識することが必要です。

 医薬品を用いた犯罪としては、睡眠(鎮静)薬を用いたケースがよく知られています。睡眠(鎮静)薬を用いた犯罪は、医療関係者だけでなく、一般市民も加害者となり、意識を失わせることによって、わいせつや金銭(やクレジットカード)窃盗などの行為が主なものです。一方、インスリンを用いた犯罪は、死に至らせる凶悪なものもあります。

 そこで、インスリンを用いた犯罪事例を紹介し、インスリンの“もう1つの危険性”を知っていただきたいと思います。今回紹介する事例は、すべて現時点(2018年11月4日)でもweb検索が可能な事例です。

 インスリンを用いた犯罪事例も、睡眠(鎮静)薬と同様、医療スタッフによるものと一般市民によるものに分けられます。

著者プロフィール

古川裕之(医療安全システムデザイナー)ふるかわ ひろゆき氏◎雪国(福井県大野市)の生まれ育ちなのに、性格はなぜかラテン系。1975年金沢大学薬学部卒業後、同大医学部附属病院、臨床試験管理センターを経て、2010年より山口大学医学部附属病院薬剤部長。18年に退職し、現在はフリーランスの「医療安全システムデザイナー」として活躍中。趣味は、写真撮影とブラジル音楽のバンド。薬学博士。

連載の紹介

古川裕之の「STOP!メディケーションエラー」
調剤する人は調剤エラーをする。調剤しない人は調剤エラーをしない。仕事をする限り、エラーから逃れることはできませんが、エラー事例から学ぶことで、重大なエラーを避けることはできます。「メディケーションエラー」防止に向けた10年以上の取り組みを通して学んだことを、分かりやすい具体例を示しながら紹介します。
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