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あいまいな添付文書情報をカバーするこんなカードはいかが?

2014/02/05

人間魚雷「回天」の練習場があった大津島(山口県周南市) 2013年10月13日

 少し前に、このコラムで「不十分な「経過観察」がもたらした健康被害」(2012年12月13日)という記事を掲載しました。抗癌剤であるリツキシマブ(商品名リツキサン)の報道事例を紹介した記事で、リツキシマブなどを投与された患者が、肝炎の悪化や肝機能の低下などで死亡したケースが題材です。

 この事例ではいずれも、ウイルス検査や肝機能検査を含め「経過観察が不十分だった」と遺族が主張したり、病院側がそれを認めたりしています。リツキシマブの報道に関して私は、そこにメディケーションエラーを生じる要素はないかという視点で、以下のように書きました。

 “新聞記事には「月1回のウイルス検査を求めた厚生労働省の指針」と書かれていますが、実は、通知にもブルーレターにも、そして、肝心の添付文書にも、具体的な検査のタイミングは記載されていません。”

 この時は主に問題提起だけで終わりましたが、その後も同じような事例が続いています。一方で、「B型肝炎治療ガイドライン(第1.2版)」(2013年9月公表)に、該当薬剤投与中の検査項目とタイミングが明記されています。そこで今回私は、こうした問題解決のための提案をしたいと思います。

 現状の「リツキサン」の医薬品添付文書(以下、「添付文書」)中の“肝炎ウイルス検査”に関係した部分を抜き出してみると、表1のようになります。

著者プロフィール

古川裕之(医療安全システムデザイナー)ふるかわ ひろゆき氏◎雪国(福井県大野市)の生まれ育ちなのに、性格はなぜかラテン系。1975年金沢大学薬学部卒業後、同大医学部附属病院、臨床試験管理センターを経て、2010年より山口大学医学部附属病院薬剤部長。18年に退職し、現在はフリーランスの「医療安全システムデザイナー」として活躍中。趣味は、写真撮影とブラジル音楽のバンド。薬学博士。

連載の紹介

古川裕之の「STOP!メディケーションエラー」
調剤する人は調剤エラーをする。調剤しない人は調剤エラーをしない。仕事をする限り、エラーから逃れることはできませんが、エラー事例から学ぶことで、重大なエラーを避けることはできます。「メディケーションエラー」防止に向けた10年以上の取り組みを通して学んだことを、分かりやすい具体例を示しながら紹介します。
お気に入りの1枚の写真を添えて…。

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