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ブラジルから来た研修生Emy

2013/07/11

FIFAコンフェデレーションズカップ2013決勝の会場「Estádio do Maracanã」のゴール 2010年5月21日撮影

 「Bom Dia(ボンディーア、おはようございます)!!」。明るい声が薬剤部に響きます。ブラジルの薬剤師免許を持つ日系ブラジル人、Emy(恵美)です。彼女は5月末に来日し、山口大学病院で研修中。山口県出身のおばあちゃんに教えてもらったという日本語で、スタッフや実務実習中の薬学生と会話しています。

 初対面の時、僕はサッカーブラジル代表チームのカナリアイエローのユニフォームを着て、「Muito Prazer(ムイト・プラゼール、はじめまして)」と、ポルトガル語で挨拶しました。ねらい通り、Emyは驚いた表情。山口県まで来てどうしてポルトガル語が……と思ったそうです。僕のブラジル音楽好きが、こんなところで役に立ちました。

 先日のFIFA コンフェデレーションズカップ2013の初戦、日本はブラジルと戦いました。「どっちを応援するの?」と僕が尋ねると、Emyは「ブラジル」と即答。結果はご存じの通り、日本は0-3で完敗でした。「ブラジル、つよいね」とにっこりするEmy。正直な気持ち、悔しい!!

 インターネットのおかげで、Emyはホームシックとは無縁です。毎朝6時(ブラジルは夕方6時)にSkypeを利用して家族とインターネット電話をしているのだそうです。ブラジルの友人ともFacebookでコミュニケーションを取っています。世界は確実に狭くなっていると実感。

 先週、Emyは手術室の見学をすることになりました。前日に僕の部屋に顔を出し、これから準備をすると言うので「何を準備するの?」と尋ねると、「しゅじゅつにつかう、ちんつうやく、きんしかんやく、それと、ちんせいやく、いろいろ、しらべる」と日本語で答えが返ってきました。見学の後、Emyはノートを見せながら、「きょう、とてもよかったよ。しゅじつしたせんせい、すこしポルトガルご、べんきょうしてきたみたい」と、にっこり笑って言いました。見せてもらったノートには、日本語とポルトガル語がびっしり。時間をかけたことが、よく分かります。隣にいた日本人学生も「僕なんか、ちらっと本を見ただけなのに……」と、驚いていました。

著者プロフィール

古川裕之(医療安全システムデザイナー)ふるかわ ひろゆき氏◎雪国(福井県大野市)の生まれ育ちなのに、性格はなぜかラテン系。1975年金沢大学薬学部卒業後、同大医学部附属病院、臨床試験管理センターを経て、2010年より山口大学医学部附属病院薬剤部長。18年に退職し、現在はフリーランスの「医療安全システムデザイナー」として活躍中。趣味は、写真撮影とブラジル音楽のバンド。薬学博士。

連載の紹介

古川裕之の「STOP!メディケーションエラー」
調剤する人は調剤エラーをする。調剤しない人は調剤エラーをしない。仕事をする限り、エラーから逃れることはできませんが、エラー事例から学ぶことで、重大なエラーを避けることはできます。「メディケーションエラー」防止に向けた10年以上の取り組みを通して学んだことを、分かりやすい具体例を示しながら紹介します。
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