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なぜ繰り返される? 筋弛緩薬紛失

2012/07/19

夏を彩るノウゼンカズラ。金沢の自宅にて2009年6月27日撮影。

 この1週間で「筋弛緩薬を紛失した」という報道が2件ありました。紛失した筋弛緩薬とは、それぞれ「マスキュレート(一般名ベクロニウム臭化物)」と「エスラックス(ロクロニウム臭化物)」。ともに麻酔時に使用されるものです。

 筋弛緩薬には「中枢性」と「末梢性」があり、麻酔時に使用されるのは「末梢性筋弛緩薬」で、剤形は注射剤です。この「末梢性筋弛緩薬」は、作用メカニズムの面から「脱分極性」と「非脱分極性」に分けられますが、現在は、非脱分極性の筋弛緩薬が主流です。その理由として、脱分極性の筋弛緩薬(スキサメトニウム)は、脱分極に伴う筋収縮により術後筋肉痛、高カリウム血症、眼内圧上昇、脳圧上昇などの副作用が多いだけでなく、悪性高熱症も発現もすることが挙げられます。

 筋弛緩薬の紛失に関する報道は、下の表に示すように、今年はこれで4件目となります。「エスラックス」の紛失が目立ちます。その理由は、現在最も使用されている筋弛緩薬だからです。

著者プロフィール

古川裕之(医療安全システムデザイナー)ふるかわ ひろゆき氏◎雪国(福井県大野市)の生まれ育ちなのに、性格はなぜかラテン系。1975年金沢大学薬学部卒業後、同大医学部附属病院、臨床試験管理センターを経て、2010年より山口大学医学部附属病院薬剤部長。18年に退職し、現在はフリーランスの「医療安全システムデザイナー」として活躍中。趣味は、写真撮影とブラジル音楽のバンド。薬学博士。

連載の紹介

古川裕之の「STOP!メディケーションエラー」
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