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新100点業務 「病棟薬剤業務実施加算」の新設

2012/03/27

愛用のトートバッグと沖縄・座間味のビーチ。2008年10月25日撮影

 この4月の診療報酬改定で、「病棟薬剤業務」に対して実施加算100点が新設されました。薬剤師が病棟において、医療従事者の負担軽減及び薬物療法の質の向上に資する薬剤関連業務(「病棟薬剤業務」)を実施している場合に算定するというものです。これは、病院薬剤師にとって、大きな変革のきっかけとなります。

 この加算を、「新100点業務」と呼ぶ人もいます。「新」が付いているのは、1988年に新設された「入院調剤技術基本料(100点業務)」を意識しているためです。

 1988年4月、それまでゲリラ的に行われていた薬剤師の「病棟活動」に対して診療報酬上の加算が新設されました。これにより、病棟との接点が限られていた“鎖国状態”の薬剤部に“開国”が訪れ、「病棟活動」は「病棟業務」として認知されました。

 「入院調剤技術基本料」は、医師・看護師への医薬品情報提供、患者ごとの服薬説明(指導)、薬歴作成、注射薬個人別セットという業務に対して、入院患者1人につき月1回、100点が加算できるというものでした。医薬情報室(DI室)を持ち、専任薬剤師2人がDI業務を実施している300床以上の医療機関が請求できました。もう24年も前のことですが、全国の病院薬剤師が新たな希望を持った瞬間でした。

 その後、「入院調剤技術基本料」は、診療報酬の改定ごとに、200点(1990年)、400点(1992年)と増額され、1994年には、「薬剤管理指導料」と名称変更、300床以上の枠は撤廃され、常勤薬剤師2人以上、DI室(コーナー)専任薬剤師1人と施設基準が大幅に緩和され、最大で月600点を請求できるようになりました。つまり、6年で6倍増になったというわけです。

 2012年3月時点の施設基準と管理指導料は、以下の通りです。
【施設基準】
(1)薬剤管理指導を行うにつき必要な薬剤師が配置されていること
(2)薬剤管理指導を行うにつき必要な医薬品情報の収集及び伝達を行うための専用施設を有していること
(3)入院中の患者に対して、患者ごとに適切な薬学的管理(副作用に関する状況の把握を含む)を行い、薬剤師による服薬指導を行っていること
【管理指導料】(いずれも入院中週1回、月4回まで)
(1)救命救急入院料等を算定している患者に対して行う場合 430点
(2)特に安全管理が必要な医薬品が投薬又は注射されている患者に対して行う場合((1)に該当する場合を除く) 380点
(3) (1)及び(2)患者以外の患者に対して行う場合 325点

 (3)の場合でも、325×4=1300点となり、「100点業務」に対する評価は、24年間で10倍以上に高まったことになります。

 さて、今回の「新100点業務」です。

著者プロフィール

古川裕之(医療安全システムデザイナー)ふるかわ ひろゆき氏◎雪国(福井県大野市)の生まれ育ちなのに、性格はなぜかラテン系。1975年金沢大学薬学部卒業後、同大医学部附属病院、臨床試験管理センターを経て、2010年より山口大学医学部附属病院薬剤部長。18年に退職し、現在はフリーランスの「医療安全システムデザイナー」として活躍中。趣味は、写真撮影とブラジル音楽のバンド。薬学博士。

連載の紹介

古川裕之の「STOP!メディケーションエラー」
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