
現在住んでいるアパートの階段から撮影した夕陽。それ以後も挑戦していますが、今のところ、これ以上の写真はありません。2011年4月撮影。
患者本人やスタッフからエラーの指摘を受けたり、作業後に自分自身でエラーに気付いたりすると、非常に動揺します。自分のエラーは、できれば人に知られたくないというのが正直な気持ちです。そして、できるなら、他人に知れ渡る前にエラーの事実を消滅させたいというのが本音だと思います。
しかし、どんな場合であっても「エラーの事実を隠す」ことは厳禁です。「仕事をする人は誰でもエラーする」のですから、何らかの対策を取らなければ、同じエラーが繰り返されることになります。発生したエラー事例からエラーを引き起こした根本原因を抽出し、それを除去することができれば、同じようなエラーの再発を減少させることが可能です。
「医療安全管理」が社会の関心を集める2000年以前は、責任追及型の対応が主流だったと思います。つまり、「誰がエラーしたのか?」→「当事者の処罰」→「一件落着」というパターンでした。
でも、エラー発生の原因は必ずしも個人の中にだけ存在するものでありません。電話などで作業が中断された、複数機種の輸液ポンプを併用している、名称・外観が似た医薬品が使用されているなど、エラーを誘う原因は少なくありません。2000年以降、全国の医療機関で、自主的なエラー報告システムの導入が進み、報告されたエラー事例の分析を行うことで根本原因を抽出し、有効な再発防止計画を立て、それに基づいて業務手順を改善していくという「対策指向型」の動きが拡大しています。これは、とても良い方向だと思っています。