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なぜアジア人はそんなにマスクを着けるのか

2020/03/05

 現在、マスクの供給不足が深刻な社会問題となり、それに加えてマスクの爆買いや高額転売が話題になっています。花粉症の時期ということもあり、マスク不足になるのも無理はありません。

 私は、通常はマスクを着けないのですが、新型コロナウイルス問題をはじめ、近くの医院が内科、呼吸器内科ということもあって、念のため仕事中はマスクを着けるようになりました。このマスク着用、カナダ生活の長かった私にはとても抵抗感があるのですが、今の日本は「マスク依存症」という言葉もあるくらい、マスクを着用することに抵抗がありません。むしろ、着用により安心感が得られるという話も聞きます。

 人口密度の高いアジア諸国は他人との距離感が欧米に比べて近いので、感染者かもしれない人から身を守る手段として、積極的にマスクを着用しているのかもしれません。カナダのドラッグストアでは、マスクは医療従事者が使用するマスクが少量販売されているだけで、花粉や微小粒子状物質(PM2.5)をブロックするようなマスクはほとんど売っていません。カナダでは、医療従事者以外の人がマスクをしていると、感染しやすい病気にかかっているのかと、むしろ異様な目で見られます。マスクを購入する人は、少なくとも私がカナダで働いていた昨年の夏までは、ほとんど見られませんでした。

 最近の新型コロナウイルスの報道によって、カナダのマスク事情も一部変わってきているそうで、アジア人が多いトロントやバンクーバーなどはマスク不足になっているようです。ただ、私の第2の故郷オタワはマスク不足とは無縁のようです。オタワの友人に尋ねると、たまにマスクの問い合わせを受けるものの、ほとんどはアジア人からのようです。

 世界保健機関(WHO)のサイトでマスクの適正な使い方の指針を調べると、「健常人は感染者に接する者以外はマスクを着用する必要はなく、またマスクをしていないからといって感染の可能性が必ずしも上がるわけではない」ようです。同様の趣旨をWHOの記者会見でも専門家が発言していました。

 とはいえ、街中では感染防止とは程遠いマスクの着け方をしている人を多く見かけます。健常人が必ずマスクを着けなければならないわけではありませんが、着用する場合は適切に着けたいものです。

著者プロフィール

マイルバガナム恵美(カナダ・オタワ在住)
まいるばがなむえみ氏。1995年神戸薬科大学卒業、2004年まで薬局勤務。05年にカナダで薬剤師免許を取得後、薬局勤務。12〜15年は日本で薬局に勤務し、15年夏にカナダに戻る。カナダ糖尿病教育者。15年に『カナダで薬剤師になる!』をアマゾンKindleストアで出版。

連載の紹介

マイルバガナム恵美の「日本とカナダの薬局見聞録」
日本の薬局で働いていたときにカナダ人留学生と出会って結婚したマイルバガナム氏。ご主人とともにカナダに渡り、薬剤師免許を取得してカナダの薬局に勤務していましたが、ご主人の仕事の関係で一時帰国し、日本で薬剤師として働いていました。現在はカナダに戻り、両国の薬局の勤務経験を持つ同氏が、カナダでの免許取得の苦労話や、カナダの薬局での体験談や医療事情などをつづります。

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