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日本の医療制度を見習ってほしい

2018/10/04

 皆さん、カナダに対してどんなイメージをお持ちでしょうか。大自然、多国籍国家、広大な土地に大きなお家、人々はおおらか――。そんな感じでしょうか。さらに「医療機関の受診(例外あり)は全て無料」と聞くと、「カナダっていろいろな意味で豊かな国だな」と思いませんか?

 かつて私は日本で薬学部を卒業し、薬剤師として勤務していました。そんなはるか昔、行ったこともないカナダに大きな憧れがありました。その夢は叶い、カナダで薬剤師として働き始めて10数年が経った今、日本からは見えなかった問題に直面しています。それは、医療アクセスの悪さです。

 カナダでは具合が悪くなると、まずGP(General Practitioner、総合診療医)を受診しないといけません。カナダのGPは特に専門性を持たない、いわゆる家庭医です。かぜや軽い皮膚疾患などの急性疾患から、高血圧や糖尿病などの慢性疾患まで広く浅く診療します。ですから病状が深刻な状態になってはじめて、GPが専門医(Specialist)に紹介状を出し、患者は専門医を受診することができます。日本と違ってカナダの専門医の数は少ないため、紹介状を出してもらってもすぐ受診できるわけではありません。病状の深刻度により優先度が決まります。この制度に疑問を持つ出来事を、最近立て続けに経験しました。

著者プロフィール

マイルバガナム恵美(カナダ・オタワ在住)
まいるばがなむえみ氏。1995年神戸薬科大学卒業、2004年まで薬局勤務。05年にカナダで薬剤師免許を取得後、薬局勤務。12〜15年は日本で薬局に勤務し、15年夏にカナダに戻る。カナダ糖尿病教育者。15年に『カナダで薬剤師になる!』をアマゾンKindleストアで出版。

連載の紹介

マイルバガナム恵美の「日本とカナダの薬局見聞録」
日本の薬局で働いていたときにカナダ人留学生と出会って結婚したマイルバガナム氏。ご主人とともにカナダに渡り、薬剤師免許を取得してカナダの薬局に勤務していましたが、ご主人の仕事の関係で一時帰国し、日本で薬剤師として働いていました。現在はカナダに戻り、両国の薬局の勤務経験を持つ同氏が、カナダでの免許取得の苦労話や、カナダの薬局での体験談や医療事情などをつづります。

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