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「舌下錠から普通錠?変更不可で」

2017/12/21

 13時間の薬局勤務で忙しくとも、大きな問題はなくスムーズに仕事ができた、そんなある日のことです。その日の勤務がほぼ終わりかけた夜遅く、患者(Aさん)が救急病院(ER)から発行された1枚の処方箋を持って来局しました。

 処方内容は「ロラゼパム0.5mg 舌下錠 1回1錠 1日2回まで必要時に服用 投薬量 6錠」というシンプルなものでした(※編集部注:日本ではロラゼパム[商品名ワイパックス他]の舌下錠は発売されていません)。

 私は処方箋を受け取り、入力を始めました。すると困ったことに、AさんはOHIP(オンタリオ州の保険で、薬の自己負担金は無料とされる)加入者でしたが、ロラゼパム舌下錠はOHIPでカバーされず、普通錠ならカバーされることが分かりました。当然、Aさんは舌下錠の受け取りを拒否し、普通錠への変更を求めました。

 早速病院に電話すると、受付から「処方医はオンコール中の研修医なので、こちらから連絡して、処方医から薬局に直接電話してもらいます」との回答が。Aさんにその旨を説明し、「返答がいつになるか分からないので、一旦帰宅をお勧めします。返答が来たら連絡しますよ」と話しました。しかしAさんは「緊急だから、すぐに薬が欲しい」と言い、薬局で待つと言って動きません。

 10分経ち、30分経ち…。私も内心、「今日の返事はもう無理かな」と思っていた矢先、電話が鳴りました。

著者プロフィール

マイルバガナム恵美(カナダ・オタワ在住)
まいるばがなむえみ氏。1995年神戸薬科大学卒業、2004年まで薬局勤務。05年にカナダで薬剤師免許を取得後、薬局勤務。12〜15年は日本で薬局に勤務し、15年夏にカナダに戻る。カナダ糖尿病教育者。15年に『カナダで薬剤師になる!』をアマゾンKindleストアで出版。

連載の紹介

マイルバガナム恵美の「日本とカナダの薬局見聞録」
日本の薬局で働いていたときにカナダ人留学生と出会って結婚したマイルバガナム氏。ご主人とともにカナダに渡り、薬剤師免許を取得してカナダの薬局に勤務していましたが、ご主人の仕事の関係で一時帰国し、日本で薬剤師として働いていました。現在はカナダに戻り、両国の薬局の勤務経験を持つ同氏が、カナダでの免許取得の苦労話や、カナダの薬局での体験談や医療事情などをつづります。

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