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保険の基準を厳しくすれば余分な処方は減る?

2016/03/09

 私が勤めている薬局に、インフルエンザの処方箋第1号がとうとうやってきました。日本では考えられないでしょうが、カナダのオンタリオにある私の薬局では、インフルエンザの処方箋は一冬に1枚来るか来ないか、という頻度です。

 カナダでは一般的に、高齢、低所得、特定疾患に罹患中などの特別な理由を除き、公的保険が適用されません。通常は勤務先で加入する私的保険で、治療費や薬代などをカバーします。

 ただ、全ての処方薬を保険で賄えるとは限りません。保険でカバーできない薬は基本的に患者の自己負担となるので、支払いが高額になるときもあります。

 そのため多くの患者は、処方された薬が本当に必要なのか、とても厳しくチェックします。処方箋にある全ての薬の代金を負担することが難しい場合、薬剤師と患者が相談して優先順位を決めることがよくあります。必ず服用しなければいけない糖尿病治療薬などは優先して調剤し、胃酸過多などのOTC薬で症状が少し改善できるような薬は、代金が用意できるまで薬局で処方箋を預かる、といった対処を取ります。そういった事情があるので、医師も本当に必要な薬でない限り、無駄に薬を処方することはないようです。

 以前、ある女の子がこんな処方箋を持ってきたことがありました。

著者プロフィール

マイルバガナム恵美(カナダ・オタワ在住)
まいるばがなむえみ氏。1995年神戸薬科大学卒業、2004年まで薬局勤務。05年にカナダで薬剤師免許を取得後、薬局勤務。12〜15年は日本で薬局に勤務し、15年夏にカナダに戻る。カナダ糖尿病教育者。15年に『カナダで薬剤師になる!』をアマゾンKindleストアで出版。

連載の紹介

マイルバガナム恵美の「日本とカナダの薬局見聞録」
日本の薬局で働いていたときにカナダ人留学生と出会って結婚したマイルバガナム氏。ご主人とともにカナダに渡り、薬剤師免許を取得してカナダの薬局に勤務していましたが、ご主人の仕事の関係で一時帰国し、日本で薬剤師として働いていました。現在はカナダに戻り、両国の薬局の勤務経験を持つ同氏が、カナダでの免許取得の苦労話や、カナダの薬局での体験談や医療事情などをつづります。

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