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宝島社×日経DIコラボ企画
消えたアトピー性皮膚炎の薬
第2話:お節介な薬剤師の受診勧奨(1)

2021/02/01

『このミス』大賞シリーズ 『薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理』(宝島社文庫)

 フロントの仕事をするにあたってクレーム対応は不可欠だ。
 通された部屋が写真と違う、係の手際が悪い、掃除が行き届いていない、食事が冷たい等、その内容は多岐にわたるが、対応するに当たって最も厄介なのは、部屋の私物がなくなったというクレームだろう。

 水尾爽太がその日に受けたクレームもその典型的なケースと言えた。
 部屋に置いた子供の塗り薬がなくなったというのだ。

 クレームの主は植木美和子という女性だった。新潟から小学五年生の娘・茜と来て、ツインルームに泊まっていた。
 金曜と土曜の二連泊。土曜日の午後三時過ぎに外出から戻って、それに気づいたとのことだった。

「申し訳ありません。すぐに確認に参ります」

連載の紹介

薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理
クールで謎めいた薬剤師・毒島(ぶすじま)花織が薬と事件の真相を解き明かす、宝島社文庫の話題の小説が、日経ドラッグインフォメーションOnlineに登場。作者は、2008年「毒殺魔の教室」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞した塔山郁(とうやまかおる)氏。20年5月に続編となる「甲の薬は乙の毒 薬剤師・毒島花織の名推理」が発売。

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