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宝島社×日経DIコラボ企画
「薬剤師として当然のことをしただけです」
第1話:笑わない薬剤師の健康診断(11)

2020/12/25

『このミス』大賞シリーズ 『薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理』(宝島社文庫)

 慌てる爽太を、毒島さんが止めた。

「落ち着いてください。大学病院であれば、ワーサリンを処方するとき、止血作用を担う凝固因子の働きを調べる検査をしているはずです。患者さんがビタミンKを多く摂っていれば薬の効果は薄れます。その結果を見て、医師は処方量を多くしていると思います。納豆や青汁を多く摂ったからといって、すぐに命の危機に至ることはありません。診察室に付き添っていない奥さんは、旦那さんがそんな検査をしていることを知らないのでしょう。薬剤師から、この薬を飲む際には納豆や青汁を摂らないようにしてくださいと言われて、それを思いついたのかもしれません」

「じゃあ、奥さんのしていることに危険はないですか」

「危険はないということはありません。ワーサリンが過剰投与されている状態ですので、今後色々な場面で副作用が出る可能性があります。とにかく本人に確認することが第一です。そのうえで主治医の先生に早急に相談した方がいいと思います」

連載の紹介

薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理
クールで謎めいた薬剤師・毒島(ぶすじま)花織が薬と事件の真相を解き明かす、宝島社文庫の話題の小説が、日経ドラッグインフォメーションOnlineに登場。作者は、2008年「毒殺魔の教室」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞した塔山郁(とうやまかおる)氏。20年5月に続編となる「甲の薬は乙の毒 薬剤師・毒島花織の名推理」が発売。

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