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宝島社×日経DIコラボ企画
誤診を見抜いた薬剤師
第1話:笑わない薬剤師の健康診断(8)

2020/11/30

『このミス』大賞シリーズ 『薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理』(宝島社文庫)

 翌日、約束の時間にどうめき薬局に行くために、爽太は眠い目をこすりながら満員電車に乗った。
 ぎゅうぎゅうづめの電車で潰されそうになりながら、頭の中では同じ思いばかりがぐるぐるまわった。

 妹がピルを飲んでいる。それは兄としては、いささかショックなことだった。
 颯子が、まさかそんな薬を飲んでいるなんて。

 決まった相手がいるならまだいいのだ。しかし颯子にそんな相手はいないはずだった。
 最近はお互いに遠慮して、直接プライベートの話をすることはないが、母親の口を通してそう聞いている。
 しばらく前まで彼氏はいたが、夏前に別れたそうだった。

連載の紹介

薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理
クールで謎めいた薬剤師・毒島(ぶすじま)花織が薬と事件の真相を解き明かす、宝島社文庫の話題の小説が、日経ドラッグインフォメーションOnlineに登場。作者は、2008年「毒殺魔の教室」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞した塔山郁(とうやまかおる)氏。20年5月に続編となる「甲の薬は乙の毒 薬剤師・毒島花織の名推理」が発売。

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