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宝島社×日経DIコラボ企画
薬剤師、毒島花織の見解は――
第1話:笑わない薬剤師の健康診断(5)

2020/11/06

『このミス』大賞シリーズ 『薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理』(宝島社文庫)

「水虫の薬を塗っても治らないのはそのせいですか。じゃあ、アレルギーに効く薬をください」
 爽太は言ったが、毒島さんはあっさりとかぶりを振った。

「今の話はあくまでも可能性の話であって、そうと決まったわけではありません。いま水尾さんがするべきは、再度、クリニックを訪れて、顕微鏡検査を行うことだと思います」

 顕微鏡検査と聞いてうんざりした。ようやく帰れると思ったのに、またクリニックに行かなくてはいけないということか。

「本来の筋からすれば、もう一度是沢クリニックに行き、事情を話して顕微鏡検査をしてもらうべきですが──」
 毒島さんの言葉に爽太は思わず、げっ、と口にした。いくらなんでもあの院長に検査をしてもらいたいとは思わない。

連載の紹介

薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理
クールで謎めいた薬剤師・毒島(ぶすじま)花織が薬と事件の真相を解き明かす、宝島社文庫の話題の小説が、日経ドラッグインフォメーションOnlineに登場。作者は、2008年「毒殺魔の教室」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞した塔山郁(とうやまかおる)氏。20年5月に続編となる「甲の薬は乙の毒 薬剤師・毒島花織の名推理」が発売。

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