DI Onlineのロゴ画像

宝島社×日経DIコラボ企画
薬局での予期せぬ再会
第1話:笑わない薬剤師の健康診断(3)

2020/10/20

『このミス』大賞シリーズ 『薬も過ぎれば毒となる薬剤師・毒島花織の名推理』(宝島社文庫)

 爽太はすぐに歩き出した。ビルの立ち並ぶ通りから、石畳が敷かれた路地に入った。ジグザグに折れ曲がる路地をしばらく歩くと坂道に出る。その下った先に目的の調剤薬局はあった。〈どうめき薬局・どちらの処方箋でも受け付けます〉と書かれた看板が入口の横に置いてある。

 中に入ると、受付の女性に処方箋と保険証を渡して、番号札をもらった。椅子に座り、壁に掲げてある薬剤師の名前をちらっと見る。あるのはすべて女性の名前だ。
 調剤薬局で薬を処方してもらうのが嫌なのは、足を運ぶのが面倒だという理由の他に、薬剤師のほとんどが女性だからということもある。たとえ薬剤師とはいえ、水虫だということを女性に知られるのは恥ずかしい。

連載の紹介

薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理
クールで謎めいた薬剤師・毒島(ぶすじま)花織が薬と事件の真相を解き明かす、宝島社文庫の話題の小説が、日経ドラッグインフォメーションOnlineに登場。作者は、2008年「毒殺魔の教室」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞した塔山郁(とうやまかおる)氏。20年5月に続編となる「甲の薬は乙の毒 薬剤師・毒島花織の名推理」が発売。

この記事を読んでいる人におすすめ