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患者宅訪問時、まずどこに着目する?

2020/12/02
新井 翔

 はいっ!どーも!!色々なタイプの薬剤師と一緒に患者宅を訪問して、在宅医療には正解はなく、十人十色な世界だな~と改めて感じている新井です!

 14年も在宅医療に携わっているので、育成を任されることも多くなりました。病院出身で臨床知識が豊富な薬剤師、薬局の管理職を務めていて調剤報酬に明るい薬剤師、何も知識はないけれどもやる気満々の新人薬剤師、薬剤師としての経験はあれど在宅分野には初めて足を踏み入れる中堅・ベテラン薬剤師――。皆、薬剤師ではありますが、背景もスキルも異なる、多種多様な薬剤師と関わってきました。

 そして気付いたのが、在宅医療の現場に行った際に目を留めるポイントが、おのおの全然違うということです。

 分かりやすいところでは、臨床知識が豊富な薬剤師であれば、検査データと処方内容を照らし合わせて、患者さんの状態に合わせた処方提案をすることに力を入れていました。

 調剤報酬に明るい薬剤師は、使用している特定保険医療材料や衛生材料の確認に余念がなく、処方箋に載せても良いのかそうではないのかなど、医療機関と薬局が適切な保険請求ができるように動いていました。

 挙げた2つの視点は、私は両方とも正解だと思っていますが、「在宅医療」を担う薬剤師としては、検査データや処方箋内容のチェックだけではまだ十分ではないと感じます。

 では、そんな私がどこに着目しているかというと、まずは住環境を見ています。患者さんとの信頼関係が構築できていない段階では目が届かない部分もありますが、栄養状態を把握するためにも、台所や冷蔵庫、テーブルに置いてある嗜好品などは、割と早い段階でチェックします。トイレの造り、患者さんの歩行状態、足の筋力、視力など、様々な状況が見えてくるので、確認が欠かせません。

 環境衛生をつかさどるものとして掃除が行き届いているかも見ますし、薬を保管する場所となりそうなところが乱雑であれば、その後の服薬の管理に支障が出ないように、簡単に掃除させてもらったりもします。

 まずはこれらの状況をきっちり押さえた上で、疾患の状況など臨床的な部分を評価したり、正しい保険請求に必要な情報などを確認するようにしています。

 さてさて、せっかく在宅強化型薬局にいるので、色々聞いてみようということで、つなぐ薬局のエース薬剤師・くにちゃんに質問してみました!

著者プロフィール

新井翔(つなぐ薬局[千葉県柏市]地域医療連携室室長、新井商事[東京都豊島区]取締役)あらい しょう氏 2007年城西大学薬学部卒業後、薬剤師1年目から在宅業務に携わる。20年5月より現職。日本在宅薬学会評議員も務める。

連載の紹介

新井翔の「I love 在宅」
「在宅」に取り組もうとしたものの、現場の厳しさに心が折れそうになっていませんか?薬学部を卒業してから10年以上、在宅医療に体当たりで取り組んできた薬剤師の新井翔氏が、在宅医療の厳しさや喜びを現場からお伝えします。

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